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丘の上の裏切者の館(Betrayal at House on the Hill)

 「丘の上の裏切者の館(ビトレイアル・アット・ハウス・オン・ザ・ヒル)」(Bruce Glassco /Avalon Hill, Hasbro / 2004)は、丘の上に建つ古い館を探索するホラータイプのボードゲームです。プレイヤーたちは協力して館を探索し、最終的にはヒーローとして幽霊と戦うなど目的を達成することを目指します。プレイヤーの中にひとり裏切り者が居ることが発覚します。裏切り者は幽霊の手助けをして、幽霊側の目的を達成するのが勝利条件です。

 ゲームは前半の探索ターンと後半の幽霊発生後のターンに分かれています。前半では館の探索をします。プレイヤーは「移動」「新しい部屋の発見」などの行動を取り、館を調べて行きます。探索中に幽霊が出る「前兆」カードを引くと、「ホーント・ロール」と呼ばれる出現チェックをします。幽霊が現れるとどんな幽霊が発生したのか、そして誰が裏切り者なのかをチャートにより確定させます。その発生するシナリオは50種類あります。

 裏切り者は「裏切り者の書」を読み、幽霊側の勝利条件を確認します。残りのプレイヤーはヒーローとなり「生き残りの秘密」を読み、勝利条件を確認します。そして後半部分の幽霊発生後のターンが始まります。ヒーローのターン、裏切り者のターン、幽霊のターン、の順に処理をして、目的を達成するためのトークンを集めるなどを行います。目的を達成した側の勝利となります。ヒーローはひとりでも生き残って目的を達成すれば、裏切り者は自身が死んでしまっても幽霊側の目的を達成すれば勝利となります。

 このゲームは協力ゲームですが、ひとりだけ裏切り者がいます。「キャメロットを覆う影」と違うのは、誰が裏切り者かプレイ開始時には決まっていなく、裏切り者が誰かが決まったあとでは誰の目にも明らかであるという点です。前半の探索部分では誰が裏切り者か確定していなく、チャートによって突然裏切り者が決まるため、誰が裏切り者なのか当てるという要素はありません。

 また、非常にRPGチックなボードゲームであるとも言えます。Avalon Hill はTRPGも制作しているところですので当たり前かも知れませんが、RPGをボードゲームにしたらこうなる、というひとつの見本だと思います。ルールで演技することを(ほとんど)求められていない点を覗けば、コマやマップボードが一式付属したTRPGのサプリメントのようでもあります。ホラーゲームではおなじみの「正気チェック」がありますし、失敗すると「知識」や「正気」に精神ダメージを受けるという点など、TRPGゲーマーにとっては実にたまらないシステムです。

 裏切り者の確定が機械的であるという部分など、TRPGでは必要な「ゲームマスター」が不在でも遊べるように作られている部分は一長一短と思えます。しかしながら、勝利しなくても雰囲気を味わいながら過程を楽しめればいいというTRPGの良さがあり、このゲームはそういう良さを楽しめるゲームです。ある種のテーマを持ったボードゲームはこのゲームのように物語性を帯びて発展して行くのではと思わせる、示唆に富んだゲームシステムだと思います。

Betrayal at House on the Hill(丘の上の裏切者の館)
 Avalon Hill(アバロンヒル)
 Hasbro(ハズブロー)

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