4人プエルトリコ 1番手建設小屋による2番手宿屋対策の決定版

4人プエルトリコ2番手宿屋システムは原則としてR1-2で建築宿屋は選ばず、R1-2金鉱としてR1-3建築で宿屋を建てています。理由は別記事でも書きましたが建築の後出しをしたいからです。具体的には、採石場を持った1番手が建設小屋を建ててきたときは2番手で宿屋は絶対に建てません。1番手の方が有利になるからです。1番手が建設小屋を建ててきたときは2番手も建設小屋を建て、R2-1で市長を入れます。その後は小インディゴを建てたり他プレイヤーの開拓で採石場を拾ったりしながら体制を整えていきます。私の使う宿屋システムが単なる戦法ではなくシステムと主張している理由が、この宿屋を放棄するところまでシステム化している点です。宿屋を放棄する実際のプレイの様子は「宿屋を放棄する2番手宿屋システム」の記事で読めます。

では、1番手がどのようにして2番手の宿屋プレイを潰すのか、実際のプレイで試すことができましたのでご紹介します。

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R1-1開拓 1:採石場 2:タバコ 3:サトウ 4:コーヒー ※2番手がサトウタイルを取らなかったことが直後に影響してきます。
R1-2建築 2:宿屋 3:小サトウ 4:小市場1:建設小屋 ※2番手の宿屋を見て1番手で建設小屋を建てました。これが宿屋潰しの第一歩です。
R1-3市長
R1-4監督 ※3番手にサトウを生産されるのを承知で4番手は監督を打ちました。R2-1船長なら4番手のこの一手で宿屋プレイを潰せますが果たしてどうなるか。ちなみに宿屋システムがR1-2金鉱なのはR1-3建築R1-4市長の手順とすることでこのように監督を入れられるのを封じています。

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R2-1開拓 2:採石場 3:タバコ 4:サトウ 1:採石場 ※2番手はサトウ売りを無視して開拓を選びました。仕方のない選択ですが想定した事態とは違うはずです。1番手はここで建設小屋の効果で採石場を得ています。1番手は常に2番手より1枚多く採石場を持つことで先に低額3品種大市場採石場2枚体制を整え、最終的に採石場4枚にするのが狙いです。
R2-2金鉱(+1) ※商人を入れて得られる瞬間的な4ダブロン0vpより、R2-2金鉱の2ダブロンとR2-3船長でサトウ6船を作り1vpを得て、R3-1商人(+2)や建築(+1)タバコの手順の方がより得すると判断し3番手は金鉱を選びました。ほぼノータイムでの選択でした。しっかりとした打ち筋です。良いプレイヤーかどうかはBGAの不完全なレーティングでは判断できません。
R2-3(+1) ※4番手の言い分は通り、1ダブロン3vpを得ました。監督早仕掛けで採石場が稼動し出す前に出荷点差でリードして主張点を作るというのは素晴らしい発想です。
R2-4市長 ※序盤からそれぞれの思惑で色々なことが起こりましたが予定通り市長を選ぶことができました。これで採石場2枚稼働し所持金が1ダブロンあるのがこの手のポイントで、宿屋プレイでは建てられない大インディゴを建てに行く狙いです。

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R3-1建築(+1) 3:タバコ 4:農地 1:大インディゴ 2:小インディゴ ※3番手の狙いの一手です。4番手にサトウを譲り出荷点を稼ぎつつタバコ売りを狙う手の広がりを重視した手です。4番手は小サトウを建てて市長が普通ですが極めてアグレッシブな狙いがあり農地を建てました。1番手はここで狙いである大インディゴを建てました。宿屋プレイでは人が少なくなりがちなのでタバコと呼応して多スロットの大インディゴを建てて人を呼び込む狙いです。
R3-2監督(+1)!! ※またも凄い手が出ました。2ダブロン乗りの商人に向かって監督を打ち込みます。別記事でご紹介したサトウ監督早仕掛けよりアグレッシブなコーン監督早仕掛けです。とにかく序盤から出荷点稼ぐという一貫したプレイ方針で出荷点差を広げに行きます。(不当に高く維持することができる)BGAレーティングを気にせずに世界中の色々なプレイヤーと対戦すると日々新たな発見があります。
R3-3商人(+2) 3:サトウ+2 4:コーン+1 ※1番手は何も売れませんがいくら何でも商人をスルーはできません。
R3-4開拓 2:コーン 3:タバコ 4:コーン 1:コーヒー ※2番手のコーン取りは正しい着手です。3番手はコーンタイルではなく1番手にタバコタイルが回るのを拒否してタバコ独占を選びました。4番手はコーン早仕掛けのコーンを得て思惑通りです。1番手は3枚目の採石場を取っても手が広がりませんのでコーヒータイルを取りました。本当はコーンタイルが欲しかったのですが流石に無理というものです。

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R4-1船長(+1) 4:1コーン2vp 3:1コーン1vp ※ボーナスダブロンを拾いながら4番手はここまでに5vp稼ぎました。3番手は2vpです。インディゴプレイヤーに大建物1枚分の10vp差をつけられれば狙いは成功です。
R4-2市長(+1) ※1番手の狙いの手順です。3ダブロンを持ってインディゴ体制採石場2枚を稼働させました。次に大市場を建てる狙いです。
R4-3金鉱(+1) ※2番手は2ダブロン得て建築に対応できるようにしました。このように常に所持金を得て0ダブロン状態を回避しておくのは採石場を持ったプレイでは必要不可欠です。
R4-4建築 3:小市場 4:パス 1:大市場 2:小サトウ ※3番手は売れ残っていた小市場を建築特権で無料で建てました。監督もありましたが冷静です。4番手は小サトウか小倉庫を建てるかと思いましたが建築スルーでした。1番手はここで狙いの一手の大市場を建てます。ちなみに小市場が流れてきたら建てるつもりでしたがもちろんそんなに甘くはありません。2番手は普通に小サトウです。R1-2建築とした以外はここまで極めて正しい宿屋プレイです。

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R5-1市長 ※ボーナスダブロンは乗っていませんが3人来る市長は入れます。ここで3人来る市長を選ぶのも狙いの手です。採石場を3,4枚取る予定なので人はいくら多くても困りません。宿屋プレイではないですが砦も当たりの大建物になります。常に2番手の上家で2番手がやりたいプレイを先に選べるのがこの1番手の建設小屋による宿屋対策の特徴です。
R5-2開拓(+1) 2:採石場 3:タバコ 4:サトウ(農地),タバコ 1:採石場 ※1番手としては、2番手が採石場を拾ったらこちらも採石場、という具合に常に+1枚採石場を取っておきます。
R5-3監督(+1) ※3番手の狙いの手です。低額3品種の船を作らせてタバコひとり売りを狙った監督です。
R5-4船長 4:2コーン3vp 1:5船1インディゴ1vp 2:1コーン1vp,1インディゴ1vp 3:サトウ1vp ※ここまで出荷点は1番手から順に1vp/2vp/3vp/8vpです。4番手の狙いは明確で、ここまで毎ラウンド監督か船長を入れています。凄い!

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大変面白いゲームなので全ラウンド解説したいところですがきりがないので終局図です。1番手は低額3品種大市場採石場2枚からギルドホールを先着、最終的に採石場4枚にして2枚目の大建物を建てました。2番手が宿屋でやりたいことを上位互換でプレイできるので建築ゲームになればまず負けません。これが1番手建設小屋による2番手宿屋プレイ対策の決定版の概要です。この戦法があるので私は宿屋システムの手順として建築後出しができるR1-2金鉱を選んでいます。ちなみにこのゲーム、建築点は1番手から順に23(+14)/21(+11)/15(+5)/16、出荷点は9vp/12vp/21vp/22vp、トータルは46/44/41/38でした。

https://boardgamearena.com/table?table=395373232

https://boardgamearena.com/table?table=397309511
小市場コーヒーを建てることができたゲーム