オンライン対戦で何度も2番手宿屋システムを使っていると、戦法の優位性を理解してくれるプレイヤーもいます。そして実際に試しに使ってくれるのは大変嬉しいことです。過去にBSWで一時期宿屋システムが流行ったこともありますし、最近のBGAでも少ないですが見かけることが増えました。めったに生じない筋もありますのでなかなか実戦で試せないこともありますし、みんなに使ってもらうことで新たな発見があるかもしれません。また、バランスドルールで宿屋システムの筋に入れば有利過ぎて無双できますので、R1-1開拓のときはどんどん使ってもらえればと思います。
さて、2番手宿屋システムは優秀な戦法であると思ってはいますが、他人に使われたとしても負けたくはありません。自分が使ったら圧勝するけれど他人に使われたら積極的に咎めて勝つ、というのが戦法考案者としての理想です。ご紹介するゲームは実際に相手プレイヤーが2番手宿屋システムを仕掛けてきたゲームです。
R1-1開拓 1:採石場 2:コーン 3:インディゴ 4:タバコ 1-2金鉱 1-3建築 3:小市場 4:小市場 1:パス 2:宿屋 1-4市長のオープニングです。私は4番手です。2回目の開拓タイルにコーン1インディゴ2タバコ2、サトウとコーヒーが出なかったので2番手やや有利です。また、タバコ独占が絶対に崩れるので4番手は不利となります。
R2-1開拓 2:採石場 3:コーン 4:インディゴ 1:タバコ、これで1番手がR2-4建築でタバコに届きます。R2-2市長、コーンと小市場に乗せて3番手は得します。R2-3監督、ここで4番手はかまわず監督を打ちます。R2-4建築 1:タバコ 2:小インディゴ 3:小インディゴと進みましたので、ここで建設小屋を建てます。タバコは届きませんので2番手の宿屋に呼応して採石場を集める方針に変更です。
R3-1商人(+2) 3:コーン+2、R3-2(+2)船長、R3-3金鉱(+1)+1、R3-4開拓 2:採石場 3:コーン 4:コーヒー 3:サトウ と進み、3番手がコーン3枚体制を選び、4番手はコーヒータイルが入手できたのでコーヒー独占を目指します。R4-1市長(+1) R4-2建築(+1) R4-3監督(+1) R4-4船長と進みます。
R5-1開拓(+1) 1:採石場 2:サトウ 3:タバコ 4:建設小屋、R5-2金鉱(+1)と進み、2番手はサトウタイルを拾いつつお金も拾う理想的な宿屋システムです。4番手はやっと建設小屋効果で採石場が取れましたが出遅れています。R5-3市長でコーン3枚インディゴ小市場小倉庫と人がたくさんほしい3番手が市長を入れました。これで4番手の採石場に人が乗ったので、R5-4建築を入れコーヒーを建てます。1:小サトウ 2:小サトウ 3:パスと進みました。
R6-1商人(+2)、R6-2監督(+1)、R6-3船長(+1) R6-4建築 1:小倉庫 2:大市場 3:小サトウ 4:小インディゴ R7-1金鉱(+1)、R7-2市長で4番手はやっとコーンインディゴコーヒー生産体制となりました。2番手は低額3品種大市場の理想的な宿屋システムの体制です。このように、2番手宿屋システムを熟知している私がなんとかしようとしても、展開によっては積極的に咎める手もなく互角化を実現されてしまいました。
ここからは勝つためにポイントとなった4番手の手だけ記載します。R8-4建築 4:大市場で、まずは売り負けしないように大小市場コーヒー体制にします。次にR9-4船長コーヒー7船で倉庫がなくても監督で仕掛けられるようにします。R10-3監督は継続手で、小倉庫2人大倉庫1人に対して監督を入れる積極的な手でエクストラはコーヒーです。タバコが対面で見合いになっているのでR10-4商人で1番手がタバコ売り、R11-1で3番手がタバコ売り、他人の商人で2回の大小市場コーヒー売りを実現し、R11-2建築でギルドホールを先着します。
R14-3監督からR15-1船長で、倉庫がないけれど監督を駆使したりして2番手に出荷点差をつけ、2番手の建築1回パスの差もあってぎりぎりですが勝ちました。出荷点は1番手23vp、2番手23vp、3番手30vp、4番手26vpでした。4番手のギルホ税関(6vp+6vp)より2番手の砦市役所(6vp+7vp)の方がボーナスが多かったです。
敵に回してみると2番手宿屋システムはやはり凶悪で、ものすごく強い印象を受けました。隙がほとんどないので弱点を狙って差をつけにくいので今回のように7船を独占するくらいしか方法がありませんでした。コーヒータイルが取れたのは運でしたし、局面や展開によってはどう打開できたかわかりません。こんなに2番手は強いのにバランスドでコーンプレイヤーの所持金を減らすとかどうかしてると思います。
BGAのログを張っておきます。
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