4人プエルトリコ 互角化 イコライズ

インディゴプレイヤーの序盤の目標は、コーンプレイヤーとの互角化(イコライズ/equalize)を目指すことです。俗にコーンプレイヤーが有利と言われるのは、プエルトリコは非対称スタートでコーンプレイヤーが主導権を持っているためです。市長が入った時点でコーンが生産できますので、売って良し出荷して良しで監督で仕掛けることができます。簡単に言うと序盤はコーンプレイヤーが監督権利者です。

目指すべき互角化というのは、全員が採石場2枚を持っていてコーヒーとタバコは対面同士が持ち合い誰も監督で仕掛けることができない状況で3ダブロン乗るまで誰も監督を打たない、というような静的な互角の局面ではなくて、もっと動的な、潜在的な仕掛けの筋を持つような、採石場3枚持ちにしたり、コーヒーやタバコを独占したり大市場を持ったり、コーン3枚小倉庫にしたり、と不均衡な互角化を目指します。プエルトリコは人チップの数や船や商店の状況などもあり形勢判断が難しいゲームですので、これは互角だな、というのはやや主観的な判断です。

もともとインディゴプレイヤーだったのかコーンプレイヤーだったのか関係ないような、初期タイルを隠せば誰が何番手なのかパッと見分からないような状況に持ち込めれば、後はプレイヤーの実力次第です。BGAバランスドルールのコーンプレイヤーの所持金を-1ダブロンにするという安易な互角化は、将棋で言うと上手に香落ちで指してもらうようなものです。その方が楽しいと思う人や何ゲームも遊ぶわけではないので初心者向けの補正で遊びたいという人たちを否定しているわけではありませんが、ハウスルールである認識は持っていただきたいです。それは非対称スタートによる魅力にあふれた本来のプエルトリコではないのです。

話を戻します。インディゴプレイヤーの1番手と2番手ですが、採石場を確実に取れる1番手の方が方針が決まっていて戦いやすいだけでなく、2番手がやや苦しい理由は、プエルトリコの主要メカニクスの「螺旋状のラウンド進行(Turn Order: Progressive)」と「Increase Value of Unchosen Resources」のせいです。毎ラウンド選ばれなかった役職に1ダブロンずつ乗っていくので、選ばれなかった役職の価値は高まっていきます。一般的な進行だと建築にボーナスダブロンが乗ってR3-1建築(+1)で3番手がコーヒーやタバコを建てる、4番手はR3-2市長(+1)でそれを稼働させる、1番手は金鉱(+1)で所持金を増やす、となりがちです。コーンプレイヤーは高額産品に届いて稼働させることができ、1番手もR1の建築パスならタバコまで届きますしボーナスダブロンも拾えるので潜在的に逆転の含みを残せますが、2番手はボーナスダブロンを拾えず人の数も足りずジリ貧ムードです。R1-1開拓 2:コーン 1-2建築 2:小市場 R2-1開拓 2:採石場の体制を作っていても採石場の稼働前にR3-1建築が入り、市長が入ってもコーン採石場を稼働させるのが精いっぱい、となりがちです。このラウンド3のことを、プエルトリコ仲間では「チャリンチャリンラウンド」と呼んでます。みんな何かしらボーナスダブロンを拾えるのにR3-4で2番手がボーナスダブロンなしの役職を選ばざるを得ないところから、気づいたら仲間内のスラングができてました。

このような2番手の苦しさをなんとかしたい気持ちが発端で2番手宿屋システムを完成させました。今では2番手は勝ち星を増やす貴重な番手となりました(仮にバランスドルールで宿屋システムの筋に入ったら有利すぎてその時点で勝ち確を意識すると思います) 。その互角化の技術は1番手でも応用できますしコーンプレイヤーでも応用可能なので、プエルトリコの全体的なプレイ技術が上達したと思います。

最後に、コーンプレイヤーが有利な理由は最終盤にもあります。4人プエルトリコはだいたいラウンド15前後で終了するので、出荷ゲームでR15やR16エンドとなるとき、ガバナーで船長を選べる3番手4番手がたくさん出荷できるため、出荷点での逆転を狙いやすい番手だということです。このことも加味してインディゴプレイヤーはR13やR14でのゲームエンドを狙うのか船をコントロールしたり造船所を建てておくのかなども検討し備えておく必要があります。このようにインディゴプレイヤーは難しい番手なのでインディゴプレイヤーできっちり勝てるプレイヤーが強いプレイヤーだと思います。