4人プエルトリコの建物評価

ボードゲームの4人プエルトリコの建物の個人的な評価について書きます。どの建物が強い弱いというのもありますが、汎用性があって建てることが多い建物と一定の条件下で建てる建物の違いというのもあります。パッと見分かりやすいようにS~Dランクで評価してみますが、効果と頻度の掛け算のような評価です。また、評価は絶対的なものではなく、プレイスタイルによって変わるものです。今回は言及しませんが、プレイ人数でも評価は変わります。2人プレイの(5品種)工場は非常に強い、5人プレイでは建設小屋はほぼ必須、といった具合です。

S:ほぼ毎回のゲームで建てる、活用性が非常に高い
A:たいていのゲームで建てる、軸建物として大活躍する
B:結構な頻度で建てる、ゲーム展開によっては非常に有効
C:あまり建てない、補助的に利用したり限定局面で活用
D:ほぼ建てることがない、活用する機会ががほぼない

評価 解説
小インディゴ S 建てない理由がない建物です。採石場で無料で建てられるのは大きな魅力ですし1ダブロン払う価値もあります。インディゴ船は作られやすいですから出荷点にもなります。強いて建てないケースはと言うと、採石場2枚持ちで自分で建築を入れて大インディゴを無料で建てるゲームで、建築を進めるものの余計な建築スロットの空きがないというときくらいです。それは100ゲームに数回あるかどうかです。
小サトウ S こちらもほぼ必須の建物です。サトウ小市場はタバコと売却額で同等です。人が余計に必要ですが建物額が安く簡単に体制を整えることができます。さすがにインディゴだと売らない選択もありますが、タバコやコーヒーが売れなくてもサトウが売れるなら良い、とざっくり考えて監督からの商人の流れを検討できます。タイルに偏りが出たゲームでは意外と独占が続き、7船サトウを作って有利になることもしばしばあります。
小市場 S コーンプレイヤーで購入できるならほぼ建てます。1番手でR1-1建築で建てることはしませんが、建築で売れ残って回ってきたら1番手でも建てることがあります。2番手ではR1-1建築小市場オープニングのときは仕方なく付き合いで建てますが、R1-1開拓のオープニングではほぼ宿屋を建てるので建てません。小市場を建てたときは大市場を建てることは少ないですが局面によっては有効なので市場を重ねます。売却額を増やす建物というよりも売却額に差をつける(差をつけられないようにする)建物という認識です。コーン小市場採石場1枚という体制は序盤で構築できる体制では相当強い体制です。
農地 C 建設小屋農地プレイのときに建てます。建設小屋を建てるとどうしても品種が少なくなりますのでそれを補うときに建てます。ですが、建設小屋と農地を建てると小インディゴや小サトウを建てるのも遅れますので、結局は生産品種を増やすのが遅れがちです。その点が建てる頻度が低くなる理由です。農地より小サトウの方が有効になりやすいです。また、建築パスを避けるために使わなくてもとりあえず建てておき、のちに公邸狙いで使用することはあります。めくられるプランテーションタイルに大きな偏りが出たときに欲しいタイルが全然取れないという、タイル事故率を下げるために建てることもあります。
建設小屋 A 採石場は2枚以上持っていると建築レースに負けることは少ないですが、採石場0枚だとコーヒー大市場持ちが自分で商人を入れても8ダブロンで10ダブロンの大建物には届きません。8枚ある採石場を2枚持っていて平均、3枚4枚と重ねると建築レースで非常に有効です。特にインディゴプレイヤーは主張点を作るために建設小屋を建てて採石場3枚にしておくのは良いことです。
小倉庫 A 最強クラスの建物のひとつです。コーン3枚になったら絶対に建てます。コーン2枚では他に建てるべき建物があるならそちらを優先します。また、コーヒーかタバコを含む3品種体制になったら購入を検討しますが、その時も大市場や工場とどちらを優先するか考えます。あまり必要のないときでも、他プレイヤーが港を建てた場合は同一建築回で積極的にカットして出荷プレイヤーを抑えます。
大インディゴ A ギルドホールのお供に最適です。3枚しかないのでギルホを建てたら大インディゴとタバコで先に売り切れそうな方を最優先で建てます。ただし、ギルドホールを建ててさらに2枚目の大建物を建てるときは1ダブロンでも節約するために絶対に大インディゴを先に建てます。1ダブロンの心の贅肉のせいで大建物に1ダブロン足りなくなることは意外と多いです。また、採石場2枚体制が強いのは大インディゴ/大サトウを自分の建築で0ダブロン/1ダブロンで建てられることが大きいです。人が少ないときに市長で多くの人を呼ぶときに建てることもあります。
大サトウ C ギルドホールのお供でしかほぼ建てません。農地で引いたタイルに偏りが出てサトウタイルが3枚になったときは大サトウを建ててコーン3枚小倉庫プレイと同じように活用することはできます。
宿屋 A 2番手宿屋システムが使える2番手ではほぼ確実に建てます。宿屋を建てた時点で勝ち確を意識します。他の番手では1番手でディレイ宿屋(R4-1建築で宿屋を建ててR4-2市長)をするくらいです。あとは市役所を建てたときにボーナス点狙いで建てることがあります。また、出荷プレイヤーの時に人切れエンドにしたくないけれど建築パスをせずに刻んでいきたいときに大インディゴや大サトウの代わりに建てることもあります。また、非常にまれですが、造船所プレイヤーの時に場の採石場が残り0枚になっていて開拓が選ばれにくい状況で、まだコーンタイルがめくられているという時に、ボーナスダブロンを拾いつつコーンタイルを取りに行くときに建てることもあります。
商館 D 私のプレイスタイルではほぼ建てません。商館を建てなくてもプレイ技術で局面を打開できることがほとんどだからです。商館を建てるならコーヒーとタバコを両方建てます。典型的な大学プレイの時は商館はほぼ必須なので建てますが、大学プレイ自体が低頻度のためその機会は極めて少ないのが実情です。
大市場 A コーンインディゴサトウの低額3品種と大市場と採石場2枚の体制が非常に汎用性が高いのでコーヒータバコの対面見合いにするくらいなら大市場を軸としたこの体制を作ります。あとからコーヒータバコを建てるだけで先行プレイヤー牽制することもできますが、大市場は2枚しかないので後からだと買えないことも多いので。
大倉庫 C 工場大倉庫プレイの時に建てます。港の効果を低減させることができますし、最後に出荷して多くの出荷点を得ることもできます。コーン2個タバコ2個の生産体制は通常だと愚形ですが、大倉庫の場合は好形です。友人のFacemanさんが使う戦法で、宿屋農地から大インディゴ大サトウを建ててさらに大倉庫を建てる「宿屋農地大倉庫プレイ」というものがあります。この体制で重ね監督を入れると、他プレイヤーはほとんど生産ができなくなり一般的な出荷プレイを防ぐことができます。あまりに限定された局面で使用頻度が低いため私には使いこなせない戦法です。
タバコ A 1番手ならR1-1開拓採石場やR1-1金鉱からラウンド1の建築をパスしてR2-4建築タバコ、2番手ならR1-2金鉱からR2-1建築タバコ、3番手ならR3-1建築タバコ、4番手ならR3-2建築タバコ等と、序盤で最も建てやすい高額産品であるだけでなく、採石場3枚持ちの建築で1ダブロンで建てられる3点建物と、いつ建てても損のない建物です。
コーヒー A 建てるのに6ダブロン必要なのでタバコに比べ独占しやすいです。採石場3枚大小市場コーヒーの体制を作ることができれば商人のたびに大建物を建てる収入を得ることもできます。とは言えコーヒーで大市場を建てると相当警戒されるので工場へ進む方が自然です。タバコは一直線で建てることが多いですが、コーヒーは建設小屋とサトウの体制から採石場を集めてたあとで建てに行くことも多いです。
工場 A 採石場1~2枚と4品種小市場工場小倉庫の形はバランスが良く非常に強いです。3品種体制から工場を建ててあとから4品種目を追加することが多いです。大市場だと売却で出荷する産品が減りがちですが、工場だと監督権利者になりやすく産品を追加で1個得られるので出荷にもある程度対応できます。商店スロット2個空きの状態だと商人狙いの監督が打ちづらく、監督にボーナスダブロンが溜まりやすいので工場プレイヤーはインディゴ以下は売却を自重してその形を作る方が良いです。また、監督に乗ったボーナスダブロンと工場の効果で10ダブロンになり大建物に届くなら、絶対的な監督権利者でなくても緊急手段として監督を打つこともあります。
大学 C ギルドホール速攻を追いかけて差し切るときの大学プレイで建てます。他のケースだと資金がだぶついていてプランテーションタイルもなく方向性が定まらない時に建てるくらいです。大学を建てるときは大市場を建てていて採石場も2枚以上ないとあまり有効ではありません。
B 4人プエルトリコでは単純に港を建てれば有利になるわけではありませんが、船がマッチした状態で早期に建てた港は相当な出荷点を稼ぐことができます。コーヒー持ちで監督して他人の商人でコーヒーを売却、エクストラのコーヒーを7船に出荷、コーヒー売却資金で港を建てる、というような展開にできればほぼ勝ち確と思います。コーンが3枚以上あれば造船所を建てるのも良いですが、そうでなければ税関までお金を使わずためておくのが良いです。
造船所 C コーン4枚以上、できれば5枚以上あると造船所は有効です。コーン3枚工場造船所の形で監督を入れたり、コーン3枚タバコ3枚小倉庫から造船所を建てて大倉庫の上位互換として重ね監督、という感じで他の建物と組み合わせることもあります。ですが、一般的にはコーン3枚までなら小倉庫と適切なプレイングで十分な出荷点を得られるので、造船所ではなく税関を建てることが多くあまり活躍の機会がありません。出荷ゲームで税関を建てない場合は、別な出荷プレイヤーが港税関で28点出荷すると1.25倍の36点以上出荷する必要がありますので、たいていは税関を建てる方が有利です。
ギルドホール S 最強の建築速攻の軸建物です。ボーナスは最大10点ですが、8点でも6点でも良いので建築レースになったら適切なタイミングで建てに行きます。すべてのゲームでギルホ速攻を狙い、無理な時は別な戦法に切り替えるイメージでプレイしています。出荷プレイヤーでロングゲームにしたいとき、建築速攻の成立条件をなくすためにカットすることもあります。
公邸 B 農地を建てたとき以外はボーナス4点の残念大建物になりがちです。出荷点が16点を超えそうなら税関をカットする方が良いことも多いです。
A 宿屋を建てたり大インディゴやタバコなどの多スロット建物が多く建てられた時に人切れエンド狙いで建てることが多いです。ギルドホールとセットで建てたり市役所とセットで建てたり2枚目の大建物としても優秀です。
税関 B コーン小倉庫プレイから税関、シンプル港から税関、と出荷プレイのお供として最適な大建物です。目安としては28点出荷して税関ボーナス7点となれば建築速攻を上回れます。32点出荷できればまず勝ち確です。
市役所 A 生産建物以外のいわゆる紫建物を多く建てがちなインディゴプレイヤーではギルドホールよりも市役所ともう1枚の大建物を建てる方が良い場合が多いです。しかし市役所単体だと劣化ギルホとなりがちですので大学プレイからの市役所や、出荷と並行しての市役所で建築2着目出荷2着目で総合トップを目指すなど、工夫が必要な大建物でもあります。