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2006年11月27日

チケットトゥライド/乗車券(Ticket to Ride)

「チケットトゥライド/乗車券」(Alan R. Moon / Days of Wonder, バンダイ / 2004)は、アメリカ大陸に鉄道網を引くゲームです。2004年ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres) 受賞、同年ドイツゲーム賞(Deutscher Spielepreis) 第6位と、2004年の話題作です。シリーズ化されており、ヨーロッパ、メルクリン、USA 1910、とリリースされています。今年2006年には第1作目の「チケットトゥライド」がバンダイから発売されました。
 行き先チケットに示された都市と都市を繋ぐと得点となり、最も得点の多いプレイヤーが勝利となります。得点は行き先チケットごとに違い、最長路線を引いたプレイヤーにはボーナス点が入ります。繋げられなかった行き先チケットは失点となります。

 プレイヤーは自分の手番で列車カードをドローするか、列車カードをプレイするか、行き先チケットをドローするかのいずれかの行動を選択できます。列車カードをドローするなら、プレイヤーは5枚晒されている場札の中もしくは山札から1枚、列車カードをドローします。場札からドローしたときは山札から場札に1枚補充し、5枚中3枚がSLカードになったときは場札をすべて捨て札とし、新たに場札として5枚晒します。そして2枚目を同様に場札もしくは山札からドローします。このとき1枚目に場札からSLカードをドローしたときは2枚目はドローできず、また2枚目にSLカードをドローすることもできません。
 このSLカード絡みのドロールールが少しややこしいですが、後は非常に簡単です。列車カードをプレイして列車コマを置いて路線を繋げるだけです。手持ちの行き先チケットの路線を繋げ終わったら新しい行き先チケットをドローして手持ちの列車コマが2個以下になるまで続けます。

 手札上限はありませんのでカードは引き放題引けます。ですので基本的に手札でカードを揃えてからプレイすることになります。ひたすら全員カードを引き続けるのが続いたりもします。ゲーム終了時に余った手札は得点にも失点にもなりませんので、理想としては手札ギリギリでたくさんの路線を引きたいところですが、実際は余分な列車カードをたくさん持ちながらのプレイになりがちです。ルールがシンプルで2〜5人とプレイ人数にも幅がありますので、難しく考えずに遊べる手軽さが魅力だと思います。

 海外版を購入することもできますが、バンダイ版は3,000円台と安くお勧めです。ただし、安い代わりにカードが台紙から切り離されていないので遊ぶ前にカードを切り離す必要があります。ボードはしっかりしていますし、SLカード絡みのややこしいところも絵入りで分かりやすく説明されています。入手しやすいのも利点です。


チケット トゥ ライド(楽天で購入)

Ticket to Ride(Days of Wonder)
 チケットトゥライド(バンダイ) 
 ドイツ年間ゲーム大賞 2004(Spiel des Jahres 2004)

2006年11月26日

プエルトリコ戦略論(建物その4)

「大きなインディゴ工場」
 インディゴ大量生産には欠かせない建物です。価格も3金と安く「採石場」効果を用いれば1金で購入できる効率の良い建物です。終盤に人減らしのために建てるのも良いですし、「ギルドホール」を建てたプレイヤーが得点を4点(2点+ボーナス2点)稼ぐのにも優れた建物です。
 4人プレイ開始時の3金でも建てられるので、インディゴタイルを持っている1・2番手プレイヤーが極稀に奇襲で「大インディゴ工場」を建てることもあります。

「大きなサトウ工場」
 こちらは建てるのに4金掛かりますが、サトウを大量生産するためには必要な建物です。「建築」特権や「採石場」効果を利用して建てるべきでしょう。4人プレイにおいて、1番手「開拓」で2番手プレイヤーが「サトウ」を取った後、自分で「建築」を選んで奇襲で「大サトウ工場」を建てることもあります。
 また、終盤に「建築」→「市長」という余裕のない出荷型の展開になると読んだときに、建築型プレイヤーが「小サトウ工場」を省略して、出荷負けしないように中盤に「大サトウ工場」を建てるようなケースもあります。

「宿屋」
 プランテーションタイルに人が乗るので、「採石場」と「コーン」を取る場合、1回分の「市長」を省略できるというメリットがあります。「開拓」を選べば人が1人来るので「農地」と組み合わせるのも効率が良いです。人不足になりにくいため大量生産を狙う出荷型プレイにも役立ちます。
 しかしながら、序盤に建てないとあまり効果がない一方で、序盤に生産施設でもない建物に4金を使うというデメリットは大きく、ほとんど建てることのない建物のひとつです。「2番手宿屋定跡」において2番手プレイヤーが建てることはあります(定跡・プレイスタイル参照)。
 また「大学」を建てたプレイヤーが「宿屋」を建てると、生産体制を整えるのに「市長」を省略することができます。序盤からの大学プレイで他プレイヤーに合わせて生産する産物を選択したいという場合において、あり得る手ではあります。

「商館」
 このゲームで最も購入機会の少ない建物です。5人プレイでは生産物が重なることが多いので意味はありますが、4人プレイにおいてはほとんど必要ありません。というのも、生産物が上家に重ならないように生産施設を建てた方が資金を有効に使えるからです。上家がコーヒーならタバコを、上家がタバコならコーヒーをと、「開拓」では上家のプランテーションタイルに重ならないようにタイルを取り、「建築」では高額生産物であるコーヒーとタバコが重ならないように生産施設を建てるのが定跡です。
 万が一、上家に後から生産施設を重ねられた時でも「総督」の位置と手番プレイヤーの位置を把握して上家より先に売却できるように「監督」をコントロールしながらプレイする方が有効です。上家に生産物を重ねられた対抗策として「商館」を建てるというケースではすでに後手に回っていると思います。
 4人プレイにおいて「商館」建築することが最善手であるというケースは極めて少ないと思います。場全体の生産物の種類が少なく自分がコーヒーを独占しているようなケースで、場が膠着しており「商店」の空きマスがひとつにコントロールされていて打破する手段が「商館」以外になく、どうしてもコーヒーを売り重ねたい、というような限られた状況でのみ有効だと思います。

プエルトリコ戦略論(建物その3)

「建設小屋」
 「開拓」を選ばなくても「採石場」を取ることができる建物です。「採石場」の枚数はゲーム後半の建築による得点の伸びに直結しますので建築型プレイヤーにとって重要な建物のひとつです。「採石場」は8枚しかありませんので、4人プレイでバランス良く取って2枚ずつ、3枚取るプレイヤーが出ると1枚しか取れなかったり1枚も取れないことも良くあります。
 この「建設小屋」の効果的な使用方法は、積極的に自分で「開拓」を取っていくことです。そうすることで他プレイヤーに「採石場」を取らせないようにできるので、より「採石場」の効果を相対的に高めることができます。また、他プレイヤーに「開拓」を選択された場合でも欲しいタイルがあればそれを取り、ない場合に「採石場」を取るようにすれば「開拓」フェイズでの無駄がありません。建築型なら「採石場」は3枚欲しいところですが、他プレイヤーが1枚も「採石場」を取っていない場合は出荷負けしないためにプランテーションタイルを選択することも重要です。おおむね「他プレイヤーの採石場+1枚」となるように取って行けばバランス良く戦うことが可能です。
 また、「農地」+「建築小屋」で「開拓」フェイズの効果をより高めるコンボもありますが、序盤の資金繰りの厳しいときに4金支払って購入するのでは必然的に生産力が乏しくなり、出遅れは必至です。このコンボを成立させるためには特権やボーナスダブロンを駆使して効率良くプレイする必要があります。

「小さい倉庫」
 出荷型でも建築型でも活用できる建物ですが、「採石場」を使っても1金しか安くならないため1点建物の中では最も高額な建物です。「建築」特権+「採石場」で1金で建てるのが理想ですが、なかなかうまくは行かないでしょう。
 生産物を無駄にしないので、出荷型では「港」とのコンボが有力です。また少品種大量生産の場合、「小倉庫」ではなく一気に「造船所」を購入するかどうかは悩むところです。「小倉庫」を経て「造船所」を建てることも考えられますが、資金効率は悪くなります。
 建築型においては、例えば「コーン」と「コーヒー」を生産できるケースで他プレイヤーによって空の船に「コーヒー」を強制出荷されられる状況を回避するため「小倉庫」を建てる場合などがあります。「小倉庫」の効果により以前のラウンドに出荷できず補完している「コーン」を出荷して防ぐ、などということもできます。
 どのような場合でも建てて無駄となるケースが少ない建物と言えますが、いち早く3点建物を建てるべきときに「小倉庫」購入による資金減少が致命的ミスとなる場合もありますので、総督の位置や手番プレイヤーの位置などの状況判断はやはり必要です。
 また、大量に補完しておくことで他人の「船長」を牽制できたり、「貨物船」や「商店」の状況判断を難しくさせるので、単に生産物の破棄による見込み得点の減少を防ぐという効果だけではなくゲームを複雑化させ紛れを生むという効果もあります。

プエルトリコ戦略論(建物その2)

「小さな市場」
 第1ラウンドで購入されることの多い建物です。1金で購入することができ、建築家特権なら無料で購入できます。1金という安さと、1金が1点になる上に一度でも産品を売却すればペイできるという効率の良さからすぐに売り切れる人気建物です。そのため、第1ラウンドで建築を選んだプレイヤーとその次のプレイヤーが購入することが多いです。特に3番手プレイヤーは初期プランテーションが「コーン」ですから次ラウンドからすぐに稼動できる可能性が高く、購入してまず損はありません。1番手「開拓」→2番手「建築」→3番手「市長」の流れで「コーン」の生産体制が整い「小市場」が稼動します。

「農地」
 このゲームにおいて唯一の運の要素であるプランテーションタイルで、めくり勝負のできる建物です。序盤で購入されることも多いですが、中盤以降に購入して「公邸」とのコンボでボーナス点を狙うのにも役立ちます。後半積極な手を選べないとき「開拓」を選べば1人だけ加点できますし、「市役所」を合わせ持っていればそのボーナスも見込めます。
 実際「農地」で欲しいプランテーションタイルがどの程度の確率で引くことができるかですが、産物は5種類なのでおおよそ5分の1、確率は20%程度です。厳密にはプランテーションタイルは50枚(コーン10枚、インディゴ12枚、サトウ11枚、タバコ9枚、コーヒー8枚)で、4人プレイではスタート前にコーン2枚、インディゴ2枚が初期配置で配られますから残り46枚(コーン8枚、インディゴ10枚、サトウ11枚、タバコ9枚、コーヒー8枚)です。プランテーションタイルは5枚場に晒されますから41枚が山札となります。仮に全種類1枚ずつめくられたとして、コーン7枚、インディゴ9枚、サトウ10枚、タバコ8枚、コーヒー7枚が山札に眠っていることとなります。スタート時の41枚の場合は下記の表のようになりますが、スタート時のプランテーションタイルに大きな偏りがない限りサトウがやや出やすくコーンとコーヒーがやや出にくい程度で、おおむね5分の1と考えて差し支えはないようです。

残り確率条件等
3枚 7.3%コーン、コーヒー:場札がすべてコーンもしくはコーヒー
4枚 9.8%タバコ:場札がすべてタバコ
5枚12.2%インディゴ:場札がすべてインディゴ
6枚14.6%サトウ:場札がすべてサトウ
7枚17.1%コーン、コーヒー:場札が1種ずつ晒されている
8枚19.5%タバコ:場札が1種ずつ晒されている
9枚22.0%インディゴ:場札が1種ずつ晒されている
10枚24.4%サトウ:場札が1種ずつ晒されている
11枚26.8%サトウ:サトウが1枚も晒されてない

 実際のゲームにおいて「農地」を活用してコーンを5枚以上集め「造船所」を稼動させたプレイヤーはゲーム後半に出荷によって勝利点の伸びが一番になることが多く、1人で「監督」→「船長」を行っても建築型プレイヤーが追いつけず勝利することが多いです。出荷型の協力プレイヤーがいればその確率はさらに高まります。そのため、1人に「コーン」を集めさせるのは危険なことです。逆に4枚までなら1人で出荷プレイをしてもまず勝てませんので敢えて「農地」プレイヤーに晒されている「コーン」を回して集めさせ、プレイスタイルをコーン出荷型に強制しゲームから脱落させるようなことも危険ですが可能です。
 また、ゲームが進行するごとに山札として眠っている残りのプランテーションタイルが推測できますので「開拓」フェイズで敢えてパスをして「農地」のめくりに賭けるようなケースも終盤においては出現します。いずれにしても、唯一の運要素に関わる建物ですので、2金と安価ながら爆発力を秘めた建物でもあります。

プエルトリコ戦略論(建物その1)

「小さなインディゴ工場」
 1・2番手プレイヤーは初期プランテーションタイルが「インディゴ」なので、「建築」を選択し最初の建物で「小インディゴ工場」を建てるかどうかがひとつの選択となります。「建築」を選択した場合は特権によって無料で建てられるのでお得ですが、1金を支払って購入する場合はインディゴを売却しても1金の収入ですから建物効果によって資金を増やすことはできません。資金を増やすには、先に「小市場」を建てたり、自分で「商人」を選んで特権でさらに1金を得られるようにする必要があります。また、2番手プレイヤーが「建築」を選んだ場合は「宿屋」からの「2番手宿屋定跡」があります(定跡・プレイスタイル参照)。
 また、1金で建てられますが序盤での1金は重要なので、展開次第ですが「採石場」効果で無料で建てるのが効率が良いです。所持金がゼロのときでも他人の「建築」に無料で着いて行ける(パスにならない)メリットは大きいです。

「小さなサトウ工場」
 序盤の資金でも建てられる上に売却時には2金が得られますので、「建築」特権や「採石場」効果を併用して建てると効率の良い建物です。「小サトウ工場」+「小市場」+「大市場」で売却額は5金ですので、「タバコ工場」や「コーヒー工場」を取らずに3点建物である「工場」・「港」・「造船所」へと繋げて行くこともできます。牽制し合っている場では「コーヒー」・「タバコ」プレイヤーに比べてマークされにくいという隠れたメリットもあります。3・4番手プレイヤーの場合は「コーン」+「サトウ」の組み合わせとなり、出荷型にも建築型にも移行しやすいバランスの良い構成で戦略の幅が広くなります。
 また、インディゴ生産体制を整えるよりサトウ生産体制を整える方が売却益が大きいので、初期プランテーションタイルに「サトウ」が1枚しかないときに1・2番手プレイヤーが「開拓」で「サトウ」を取り、いち早くサトウ生産体制を整えるために購入することもあります。

2006年11月22日

郵便馬車(Thurn und Taxis)

「郵便馬車」(Karen Seyfarth, Andreas Seyfurth / Hans im Glück, Rio Grande Games / 2006)は、15世紀のドイツ地方で郵便配達網を構築するゲームです。ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres) 受賞、ドイツゲーム賞(Deutscher Spielepreis) 第2位と、2006年で最も評価されたと言えるゲームです。すでに定番ボードゲームのひとつになっていると思います。

 プレイヤーは場に晒された6枚のカードもしくは山札から都市カードを1枚ドローし、手札から1枚都市カードをプレイします。それを繰り返すことで隣接する都市カードを繋げて郵便網を構築し、確定させて郵便局駒を都市に配置して行きます。いち早く郵便局駒を使い切りゲームを終わらせて逃げ切りを狙うのか、また長い配達路線を築いてボーナス狙いで行くのかなど、得点していく方向性を選択できます。最も多くのポイントを稼いだプレイヤーの勝利となりますが、獲得した馬車の価値、ボーナスタイルのポイント、配置できなかった郵便局駒の数で勝利ポイントが変わりますので、どのように郵便配達網を築いて行くか頭を悩ませることとなります。

 また、手札上限はターン終了時に3枚と少ない一方で、場のカードに欲しいカードがないときは晒されたカードをすべて捨てて新しく6枚山札から引いて場に晒すことができます。必然的に手札で路線を揃えて行くのではなく場のカード6枚+新しく晒した場のカード6枚+山札の計13枚から欲しいカードをドローしていくのがセオリーとなるようです。2〜4人用のゲームですが、4人だと自分の番が回ってくるまでに何度も場のカードが流されてしまい、捨て札や他のプレイヤーの動向から残りのカードを推測しつつも、結局は自分の番が回ってきてから考えるというプレイになりがちです。そのためゲーマー向けというよりは割と軽目のゲームという印象です。

 ルールは簡単ですし、ボードゲーム初心者の方にもお勧めできる良いゲームだと思います。他人の行動で自分の行動の邪魔をされることが少なくせいぜい場のカードを流される程度ですので、とにかく自分のやりたいことができますから不慣れな方でもフラストレーションを感じることは少ないと思います。また、2人でも遊べるボードゲームであるというのもポイントだと思います。それと郵便局駒がかわいいのが個人的には大変気に入っています。

Thurn und Taxis(Hans im Glück)
 Thurn und Taxis(Rio Grande Games)
 ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)
 ドイツゲーム賞(Deutscher Spielepreis)

2006年11月19日

ミッション:レッドプラネット(Mission : Red Planet)

 「ミッション:レッドプラネット」(Bruno Faidutti, Bruno Cathala / Asmodée Editions / 2005)は、スチームパンク風の世界で、企業のオーナーとなって火星の資源を独占すべく宇宙飛行士を送り込み火星を開拓し資源採掘権を得るゲームです。資源採掘権を得てもっとも多くのポイントを獲得したプレイヤーが勝者となります。また、イベントカードを達成させることでポイントを得ることもできます。3〜5人用です。

 どのようなゲームかを例えて言うなら「操り人形」と同様の役割カードを用いた「ルイ14世」のような不自由な陣取りゲームです。作者のBruno Faiduttiは「操り人形」の作者でもあり、このような役割カード制が好きなのかこのゲームでもほとんどそのまま用いられています。違いは2点あります。ひとつは、プレイヤー全員でひとつのセットからカードを選択するのではなく、それぞれのプレイヤーが1〜9までのカードを持っており、それぞれ手札から役割カードをプレイする点です。もうひとつは、(使用した役割カードを回収する能力のある役割カードをプレイするまでは)一度使用したカードを2度使用できないという点です。

 複数のプレイヤーが同一の役割カードを選択することもあり、その処理はスタートプレイヤーから順に判定します。カードによっては先手番が有利だったり後手番が有利だったりしますので、どの役割カードを出すべきかは、「誰がスタートプレイヤーなのか?」「他のプレイヤーが自分と同じ役割カードを選択する可能性があるか?」を考えなければなりません。もちろん火星の開拓状況によっても変わりますし、資源が獲得できる5、8、10ターン目に合わせてカードをプレイする必要もあります。8ラウンド目は2倍、10ラウンド目は3倍の得点が入りますし、ボーナスポイントによっても大きく点数が伸びますので、単に「現在の最多ポイント誰か?」を気にするだけでは正しく形勢判断ができないゲームです。
 10ラウンドと限られているので、絡みの多い5人プレイでも1時間半ほどで終わりました。バランスが良く3〜5人のいずれでも楽しく遊べそうな印象ですが、絡みの多い5人プレイがベストだと思います。役割カードと陣取りのシステムは取って付けた感がなく、ひとつのゲームシステムとして良く機能していると思います。

 残念なのはゲームボードやカードの品質があまり良くないことです。構造上ボードが折れ目から裂ける可能性があったりと標準的な水準と比べるとやや雑な印象です。この点はイラストが綺麗なだけに残念です。

Mission : Red Planet(Asmodée Editions)
 ミッション:レッドプラネット(ホビージャパン)

2006年11月12日

クルード/クルー(Cluedo/Clue)

 「クルード/クルー」(Anthony E. Pratt / Parker Brothers, Hasbro, Waddingtons Games, トミーダイレクト / 1946)は、とある館で不自然死を遂げた主人のジョン・ボディ氏を殺害した「犯人」と「凶器」と「犯行現場」を推理する古典的なボードゲームです。プレイヤーは容疑者でもある登場人物となり、この殺人事件の真相を突き止めるのがゲームの目的です。

 それぞれのプレイヤーに容疑者カード、凶器カード、部屋カードが配られ、手持ちのカードを元に推理をします。殺人事件の犯人・凶器・犯行現場を推理し、最終的にはすべてを突き止めて告訴を行います。告訴が正しかった場合、告訴をしたプレイヤーの勝利となります。

 古典的なゲームですので、今までにいろいろな出版社から出版されています。日本でも何度か製品化されており、今回トミーダイレクトから発売されました。トミーダイレクトの親会社のタカラトミーはHasbro社と業務提携をして代理店となっており、同社の玩具やゲームがタカラトミー(旧トミー)から発売されていますので今回もその一環と思われます。

 ゲームボードの厚みが2mmほどあり、反りや歪みがなく非常にしっかりとした作りです。プレイヤー駒は彩色されており凶器駒は金属製で、コンポーネントの質も大変良いです。価格も実売価格で2,000円台と手頃だと思います。このように日本のメーカーから発売されると入手も楽で言語の壁によるプレイアビリティの低さもありませんから大変嬉しく思います。

 なお、ゲームのタイトルがクルード(Cludo)とクルー(Clue)とふたつ存在するのは、過去の製品化の際の版権関係のためのようです。「名探偵礼讃」さんの「Cluedo/Clue/クルー」のページに詳しく書かれています。
クルード
クルード(楽天で購入)

Cluedo/Clue/クルー(名探偵礼賛)

2006年11月07日

インドネシア(Indonesia)

 「インドネシア」(Jeroen Doumen & Joris Wiersinga / Splotter Spellen / 2005)は、企業を設立し船で都市に生産物を出荷してお金を稼ぐ、インドネシア地方で繰り広げられる経済発展型ゲームです。出版社はオランダのスプロッター社で、日本では販売店が扱っていないこともあってなじみの薄い会社です。初回プレイはルールの説明に時間が掛かることもあって4人で5〜6時間ほど掛かることもありますが、慣れると3時間程度で終わるボードゲームです。

 このゲームの勝利点はお金なので、いかにお金を稼ぐかがポイントになります。手持ちの資金は自由に使用できる「Cash」と、ターン順を決める競りに使用したお金を置く「Bank」があります。勝利点は「Cash」と「Bank」の合計金額ですので、ターン順を競るのに使用したお金も得点としてカウントします。勝利のポイントは「企業合併」をいかに行うかがポイントとなります。そして「生産会社」と「海運会社」をどのように選択して経営するか、どう合併して行くかを楽しむゲームになっています。

 大変面白いゲームなのですが、マニュアルが最低限度のことしか書かれていないためルールの解釈に困ることが多々あります。その中でも「合併(mergers)」に関する部分がゲームのキモですので、合併絡みで解釈に悩む部分をスプロッター社の作者に問い合わせをし、作者の1人であるJoris氏から回答をいただきました。

Q1. 企業合併を行ったとき、自分が持つ権利書分の支払先はどこになるのか?自分の「Cash」か「Bank」か?
A1.「Cash」である。例えば、企業価値5+3の合併に成功し、自分が5、相手が3の権利を持っていたとき、相手に3/8支払い、5/8を自分の「Cash」に支払う(つまり、合併に必要な資金は持っている必要があるが見せ金で良い)。「Bank」に支払うのはターン順の競りに使用したお金のみである。

Q2. 有償で企業を拡張するとき、お金はどこに支払うのか?
A2.「General Cash」である。プレイヤーはそのお金を失うことになる。

 なぜこのような問い合わせをしたのかと言うと、別なルールで遊んでみたらより面白かったからです。オフィシャルルールでは、合併による企業買収を防ぐには見せ金を持っていれば良く、トッププレイヤーに対して、中・終盤の合併による企業買収がほとんど成立しません。そのため資金の読み間違いというミスや合併時の企業価値の判断の誤り以外には逆転を狙うようなダイナミックな合併が成立せず、A・B・Cの時代のB時代の半ばくらいに勝利者がほぼ確定してしまい、そのままゲームが終わってしまうことが多いという問題点を持っています。
 そこで、ハウスルールで自分自身に支払うお金を「Bank」にすることとして数回プレイしました。すると、トッププレイヤーと言えども敵対的買収を防ぐために合併の競りに多くの資金を使うと一時的に「Cash」が少なくなるため、2位以下のプレイヤーにもチャンスが出てきます。これでゲームのバランスが崩れたかと言うと逆で、どのゲームも非常に緊迫したゲームとなりました。
 マニュアルには「Note that the acquiring player must be able to pay the total sum bid, even if he owns one or more of the original companies.」とわざわざ注意書きがありまして、マニュアルの記述が足りないだけで、もしかしたら作者の意図としては「Bank」に支払うのが正式なルールではないかと深読みして問い合わせをしました。残念ながら作者からの回答は違いましたが、このハウスルールでは中盤でゲームが決まってしまうことがなくなり合併の資金が足りない下位プレイヤーにもチャンスが生まれ、より白熱した合併合戦が起こるようになりますので個人的にはお勧めします。ぜひ一度このハウスルールで遊んでみてください。

インドネシア(Splotter Spellen)

2006年11月01日

創作ゲーム「学校の怪談」紹介

 創作ゲーム「学校の怪談」は、とある小学校の旧校舎に肝試しをするために入り行方不明となった生徒たちを上級生の生徒たちが救出しに行くというホラー要素のあるボードゲームです。各プレイヤーは「意志」「オカルト知識」「機転」といったパワーカードを駆使し、校舎内で現れる幽霊と対決しながら迷い込んだ生徒を探して救出し、旧校舎からの脱出を目指すという協力要素のあるボードゲームです。途中で幽霊と遭遇することにより正気を失い「憑依」されたり、最後にはプレイヤーキャラクターと「幽霊」が入れ替わっていることもあります。
 勝利点である達成ポイントと不確定な達成ポイントである心霊体験ポイントをどのようなバランスで稼ぐかという他のプレイヤーとの駆け引きを楽しむゲームです。本ゲームは「ゲームマーケット 2006」に出品、販売させていただきました。

作者:Midge (Midge.jp)
カードデザイン:hash (hash-hash.net)
プレイ人数:3〜6人
プレイ時間:60分
価格:3,000円

※本サイトの創作ボードゲーム「学校の怪談」は、同名の映画、アニメ、TVゲーム、書籍などとはまったく関係ありません。民間伝承や都市伝説としての学校の怪談をモチーフとしたホラー風味のオリジナルボードゲームです。

学校の怪談エラッタその1
 学校の怪談エラッタその2