メイン | 2005年11月 »

2005年10月22日

プエルトリコ戦略論(総督・ラウンド進行)

 プエルトリコの戦略・定跡(定石)について、ここでは「総督」タイルに関連した内容について書きます。主にラウンド進行に関して、それに伴ったよくあるケースなどの解説をします。ラウンド進行はやや特殊で、次のようになっています。

  • 「総督」タイルを持っているスタートプレイヤーが役割カードを選択する。次に左隣のプレイヤーの手番となり役割カードを選択、順に(時計回りに)手番が移り、最後のプレイヤーの手番が終了するとラウンド終了となる。
  • スタートプレイヤーの左隣のプレイヤーに「総督」タイルが移り、次のラウンドのスタートプレイヤーとなる。

 他の一般的なゲームのようにスタートプレイヤーから永遠に時計回りで進行するというシステムではないため、自分の手番が回ってくる間隔にはムラがあります。したがって、最も能動的なプレイである「役割カードの選択」という行為はいつも自由には行えません。プレイ人数ごとに、以下の通りとなります。

  • 3人プレイ
     (1→2→3)→(2→3→1)→(3→1→2)→1
     スタートプレイヤーの間隔は9番目(3ラウンド)ごと
     役割カードを選択できる間隔は、5番目、2番目、2番目、の繰り返し
  • 4人プレイ
     (1→2→3→4)→(2→3→4→1)→(3→4→1→2)→(4→1→2→3)→1
     スタートプレイヤーの間隔は16番目(4ラウンド)ごと
     役割カードを選択できる間隔は、7番目、3番目、3番目、3番目、の繰り返し
  • 5人プレイ
     (1→2→3→4→5)→(2→3→4→5→1)→(3→4→5→1→2)
     →(4→5→1→2→3)→(5→1→2→3→4)→1
     スタートプレイヤーの間隔は25番目(5ラウンド)ごと
     役割カードを選択できる間隔は、9番目、4番目、4番目、4番目、の繰り返し

 このシステムにより、一度スタートプレイヤーとなった後は、選びたい役割カードが思うように選べないという辛い状況がしばらく続きます。4人プレイの1番手が、次に自分の好きな役割カードを誰の妨害もなく選べるのは16番後です。序盤に好きな役割カードを選択しづらいため、俗に「2番手不利」と言われることがあります。実際、イニシアティブを握るためには手番が重要である序盤に、選びたい役割カードを選択しやすい3・4番手は自然に打っていても手になりやすいためやや有利です。

 3人プレイのときは、初期配置のプランテーションタイルと人数と役割カードの種類と枚数の関係で序盤の定跡がほぼ決まっています。1ラウンド目は「開拓(建築)」→「建築(開拓)」→「市長」、2ラウンド目には1ダブロンずつ乗っている「商人」→「監督」→「船長」となり、3ラウンド目から好きな手を指すという流れが多いです。

 なぜこのような流れになるかと言いますと、次のような理由からです。2ラウンド目には2番手がスタートプレイヤーですが、初期プランテーションタイルが「インディゴ」のため1ラウンド目で「コーン」を引いていない限り「監督」は3番手へのアシストとなりますので選びにくいです。とは言え、「船長」を選択すると1番手に「コーン」がない場合3番手は「監督」を選びます。次に1番手が「商人」を選んでも3番手は「コーン」を売らずに手元に残しますし、1番手が他の役割を選ぶと3ラウンド目のスタートプレイヤーである3番手は2ダブロン乗った「商人」を選んで「コーン」を売却し、3番手が圧倒的有利となってしまいます。1番手に「コーン」がある場合は、3番手「商人」→1番手「監督」→3ラウンド目の3番手「船長」などと続き、分岐は増えますが結局2番手がやや劣勢となるケースが多いです。

 したがって「商人」(3ラウンド目に2ダブロン乗るのを防ぐ)→「監督」(ひとりで2個生産できる)→「船長」(3番手の「コーン」を出荷させて場を収める)となるケースが多いです。2ラウンド目のスタートプレイヤーである2番手は、『3番手がひとりで「コーン」のときは何も考えずに「商人」』、が棋理に適ったプレイとなります。2番手が1ラウンド目で「コーン」を入手していたときはこの定跡から外れます。また、1ダブロン乗っている役割カードよりも乗っていない役割カードを選択する方が有利と判断する場合にも定跡から外れます。何を選んでも1番手が「コーン」を持っていない場合は3番手「監督」→1番手「船長」、で3番手やや優勢ですがひとつの分かれです。

 4人プレイでは「金鉱掘り」が役割カードに追加されますので、ここまで定跡化はされていません。一番多い流れは「開拓」→「建築」→「市長」→「金鉱掘り」だと思いますが、これ以外の流れになるケースも多いです。プランテーションタイルに「コーン」がないような場合などでは、1ラウンド目の生産を防ぎつつ入植者を確保する奇襲技の「初手市長」、他プレイヤーが選択するのを防ぎつつ1ダブロン取得して次の「建築」に備える「初手金鉱掘り」など、様々な初手からの流れがあります。

 何人プレイでも、次のプレイヤーが何をしたいのかを考えるのは重要です。このゲームではプレイヤー間の直接攻撃も交渉もないため、影響を与えられるのは主に自分の下家のプレイヤーに対してです。局面によっては自分の役割カードの選択がどのような影響を及ぼすのか、パズルのように読む必要があります。特に「監督」は最も影響の多い役割カードですので、悩んだときは「監督」以外を選ぶ方が良いケースがほとんどです。困ったときは「金鉱掘り」、というのは無難な手です。

 自分の選びたい役割カードを無条件で引けることはほとんどないため、他人に自分の選びたい役割カードを選ばせるのは重要です。俗に「仕事」、「仕事をさせられる」、と言われているものが最も端的です。自分が「監督」を選び他人の「コーヒー」や「タバコ」を生産したのにも関わらず、自分の下家に「船長」で出荷させて高額作物を売却させないようにするケースなどが挙げられます。下家もそれをしないとゲームが崩壊してしまうため、渋々ながら選択することなります。

 より高度になると、「仕事をさせられた」のを気づかせないで他人に役割カードを選ばせるプレイがあります。「一見他人の得になる役割カードの選択に見えてこっそり自分が一番得している」というプレイです。回りから見ると結果的にそうなっただけと見えるケースもありますが、上級者は意識的にもしくは無意識的にこのようなプレイを行っています。分かりやすい例で言うと「出荷型」の協力プレイが挙げられます。これは誰かと一緒に幸せになるプレイとも言えます。分かりにくい例としては、わざと「商人」を選び他人に高額作物を売却させる、売却で金を得たのでそのプレイヤーは「建築」を選ぶ、並び順の関係で自分が最後の1枚の「港」を購入できる、というようなケースなどが挙げられます。「選ばされる」プレイヤーには、何も考えずに喜々として選択する人もいますし、読み切った上でなお自分にとっても有益であると判断して選択する人もいるでしょう。このあたりの読み合いと駆け引きがプエルトリコの面白さの要因であり、上級者とそうでない人を分けるひとつの要素でもあると思います。

プエルトリコ戦略論(序説)

 プエルトリコは、テーマこそプエルトリコ島でのプランテーション経営ですが、ひとことで言うと「他のプレイヤーより多くの勝利ポイントをいかに稼ぐか」というゲームです。最終的に他のプレイヤーよりも1ポイントでも多くの勝利ポイント(以下VP)を稼げばいいのです。ロースコアゲームであってもハイスコアゲームであっても、相対的に他人より上に行けば良いことになります。

 4人プレイの初期状態では、「3ダブロン+1プランテーションタイル」しか資源がありません。これを基に多くのVPを稼ぐのを目指すことになります。VPを得るのにはふたつの方法があります。「建物を建てる」ことと商品である「作物を出荷する」ことです。どちらの方法を取るにしても、3ダブロンで建てられる建物は限られていますし、初期プランテーションのみでは多くの作物は作れません。そのため、どのように拡大再生産していくのかが重要となります。

 拡大再生産の軸となるものは「お金」と「建物」と「作物」です。「お金」で「建物」を建てることができます。「建物」はVP(4点建物は+ボーナスVP)を得ることができ、様々な特殊効果を有しています。「作物」を産出するにはプランテーションタイルと生産施設の「建物」が必要です。「作物」は売却することで「お金」を得ることとができて、出荷することでVPを得ることができます。これらの組み合わせ方や順序が定跡やコンボや戦略などと呼ばれています。

 ポイントとしては「お金の巡りをどうするか」が最も重要です。「お金」がなければ「建物」が建てられませんし、「建物」が建てられなくては、お金もVPも生み出せる重要度の高い「作物」自体を生産できません。よってゲームの序盤ではいかにお金を増やすかが最も重要なプレイとなります。余談ですが、「コーン(とうもろこし)」だけは生産施設なしで生産できる特殊な「作物」です。「建物」をほとんど建てずにひたすら「コーン」の生産と出荷を繰り返す戦略スタイルがあり、これを私は「原始出荷型」と呼んでいます。

 序盤での「お金」の入手方法は「金鉱掘り」、「商人」、選択されなかった役割カードにボーナスとして付与される1ダブロン、の3種類です。「金鉱掘り」も「商人」もそれぞれ役割カードです。他の役割カードと同様、前のラウンドで選ばれなければ1ダブロンのボーナス(ボーナス金)が付きます。特定の役割カードを選択してお金を増やす効果を得るより、特定の役割カードを選択してその効果を得つつボーナス金を得る方が、一手の効率は高いと言えます。従って序盤の役割カードの選択では、ボーナス金の乗っている役割カードの中で自分にとって最も有益な役割カードは何かを考えるのが基本となります。

 別な側面から言うと、プエルトリコは多人数ゲームです。他の多人数ゲームと同様、他人のプレイに影響を受けます。特に、直前のプレイヤーである右隣のプレイヤー(上家)の取った行動に最も影響を受けます。よって他人の行動を妨害するには直後のプレイヤーである左隣のプレイヤー(下家)がされて嫌なことをすればいいことになります。

 また、一般的な他の多人数ゲームと同様、初心者プレイヤーやあまり上手ではないプレイヤーの影響を大きく受けるゲームでもあります。特に「監督」という役割カードが最も影響を与えます。他のプレイヤーが苦労して「監督」を選ばずに生産調整をしても、誰かが何も考えずに「監督」を選ぶとそれまでの苦労が台無しになってしまいます。そのため実力がある程度拮抗したメンバー同士でプレイする方が接戦になる確率は高まりますが、同程度の実力のあるプレイヤー同士でも大差がつくこともあります。

 上記の特性から初心者の下家を望むプレイヤーもいますが、席順は公平に決める方が良いと思います。残念ながらプエルトリコはこのような多人数ゲームに置けるありがちな欠点を有しています(欠点がないゲームは希有です)。運の要素もありますし、強い人が必ず勝つゲームではありません。それでもなお、より効率の良い戦略を考えるのが面白さだと思います。

2005年10月21日

ボードゲームショップ

 海外のボードゲームを扱っているショップで良く利用しているところをリストアップしてみます。ルール自体がドイツ語や英語でも、ショップ独自の日本語訳がついているものがほとんどですので問題なく遊べます。通販は便利ですが送料が掛かりますので、なるべくなら2、3個まとめ買いした方が安く上がります。

  • i-OGM
     同一ゲームの価格が他のショップと比較して安価です。また、送料が合計金額8,000円未満で全国一律350円と安いです。
  • メビウス ゲームス
     独自にゲームを輸入し日本語訳を付けて販売されている東京都文京区のショップです。他のショップにも扱い商品を卸されています。メビウス扱い商品はイエローサブマリンや東急ハンズなどでも見かけます。
  • ゲームストア・バネスト
     独自にゲームを輸入し日本語訳を付けて販売されている名古屋のショップです。創作ゲームにも使用できるコマやチップも販売されています。
  • プレイスペース広島
     独自にゲームを輸入し日本語訳を付けて販売されている広島のショップです。取り扱いアイテムが豊富です。
  • アークライト
     海外ゲームの輸入製品と自社製品を販売されている東京都千代田区のショップです。
  • アークライト(楽天市場店)
     アークライトの楽天市場店です。
  • 銀河企画オンライン
     海外ゲームの輸入製品とモンスターメーカーシリーズなどの自社製品を販売されている東京都千代田区のショップです。ダイス・駒・チップなどの取り扱いもあります。

 海外のボードゲームを購入する上で注意が必要なのは、付属品の欠品が割にあることです。多い分には問題ありませんが、少ないとゲームができません。購入した商品が届いたら、まず始めに説明書を見ながらコマの不足がないかどうか検品した方が良いと思います。欠品があった場合は購入したショップに問い合わせて、不足品を送ってもらうなど対応してもらいましょう。
 私の経験では、プエルトリコのインディゴがひとつ足りなかったり、インコグニトのカラーボールが2個不足していたということがありました。どちらも購入したショップで親切に対応していただき、欠品分のコマを送っていただきました。

用紙とラベルソフト

 カード・ボードゲームの自作で使用している用紙とラベルソフトをリストアップしてみます。

  • エーワン マルチカード超厚口(51292)
     エーワンのラベル用紙で、名刺サイズのカードが10面配置、0.28mm厚のタイプです。マイクロカット加工済みなので簡単に切り取れます。カードの試作に使用しています。100シート入り、実売価格は約5,000円。
  • ITO-YA ハイパーレーザーコピー(HP105 ホワイト)
     A4サイズ、0.25mm厚のプリンタ用紙です。厚みがあるのでボードやチップタイルの試作に使用しています。25枚入り、実売価格は約500円。
  • エーワン ラベル屋さんHOME
     エーワンが提供している無料のラベル作成ソフトで、Windows用とMac用があります。カードデザインの試作に使用しています。

10面インクジェット専用 特厚口タイプ 徳用100シート入
10面インクジェット専用 特厚口タイプ 徳用100シート入(楽天で購入)

エーワン(A-one)
 マルチカード超厚口(51292)
 ITO-YA e-STORE
 ハイパーレーザーコピー(HP105 ホワイト)
 エーワン ラベル屋さんHOME

2005年10月20日

マメじゃないよ(Nicht die bohne!)

 「マメじゃないよ」(Horst-Reiner Rösner / Amigo-Spiele / 1999)は、4色ある豆のカードを多く集めるカードゲームです。各カードには点数となる数字が書かれており、色ごとに合計します。最も多い得点を稼いだプレイヤーが勝利となります。

 親となったプレイヤーは、親を現す豆マーカーと手札から1枚のカードを提示します。他のプレイヤーも同様に1枚ずつ提示します。親プレイヤーは子プレイヤーの出したカードから一番欲しいカードを取って自分の場に置きます。親にカードを取られたプレイヤーは、残った子のカードの中から欲しいカードを取って自分の場に置きます。これを繰り返し、最後のプレイヤーが豆マーカーと親のカードを引き取り、次の親となります。

 豆のカードの中には、特定色の得点が0点になる「マメじゃないよ」カード、マイナスになるカード(2枚集めるとプラスにもなるが3枚存在する)、特定色の得点が2倍になるカードがあります。このため、親が自分の欲しくないカードを提示したときは親が欲しくてたまらないと思うカードを出し、親のカードを引き取りたい場合や親番が欲しいときは親が要らないと思うカードを出します。他のプレイヤーも同じことを考えますし、トップのプレイヤーの点数が伸びないようにしたり、マイナスカードを押し付けたり、その時々で取るべき行動が変わってきます。

 基本的には読み合いとなるゲームです。ルールがシンプルで情報量も少ないので漫然とプレイしていると勝てず、深く読んだプレイヤーが勝つタイプのゲームです。3〜6人用ですが、なるべく多い人数でやる方が絡みが増えて読みにくくなります。逆に3人だと必然プレイの繰り返しのようなミスの許されないゲームとなります。頭で把握しきれる情報量での読み合いという難易度とゲーム性のバランスの良さと、この「マメじゃないよ方式」のカードの取り合いが非常に面白く、個人的には最も好きなカードゲームです。

Nicht die bohne!(マメじゃないよ)

ブラフ(Bluff)

 「ブラフ」(Richard Borg / FX Schmid, Ravensburger / 1993, 2001)は、プレイヤー全員がカップに複数のダイスを入れて振り、出目の種類と個数を当てるゲームです。ダイスは1〜5、そして6の代わりにオールマイティの☆マークの6面となっています。

 各プレイヤーは自分の振ったダイスの目だけ確認することができます。スタートプレイヤーは場全体に何がいくつあるかを予想し宣言します。例えば、「3が4個以上ある」などです。次のプレイヤーは、もっと多くの数があると思う場合や、前のプレイヤーが宣言した出目より大きな数が同個数あると思う場合は数を増やして宣言します。例えば、「3が5個以上ある」、「5が4個以上ある」、などです。ダイスをひとつ以上場に晒して残りのダイスを振り直してから宣言することもできます。

 前のプレイヤーが嘘を言っていると思う場合は「ブラフ」を宣言し、全員のダイス目を確認します。「ブラフ」が正解(実際のダイスの個数が宣言した数以下)なら宣言した数と実際の数の差分の個数のダイスを「ブラフ」を掛けられたプレイヤーが失い、「ブラフ」が不正解(実際のダイスの個数が宣言した数以上)なら「ブラフ」を掛けたプレイヤーが差分の個数のダイスを失います。また、宣言された数と同個数の場合は「ブラフ」を掛けられたプレイヤー以外全員がダイスをひとつずつ失います。失ったダイスはボードのダイス置き場に置き、ゲームは継続されます。ダイスがなくなるとゲームから脱落し、最後に残った人が勝利となります。

 ダイスは全部で30個使用します。ゲームに使用されないダイスはボードのダイス置き場に置いておきます。これにより、確率計算が簡単にできるようになっています。ダイス置き場は3段×5列が2箇所あります。ひとつもダイス置き場に置かれていない場合は10列すべて空いていますので、平均で「1(〜5)」が10個出る確率(☆を含む)となります。ゲームが進んで8列とふたつ埋まったときは、残りは1列とひとつなので、平均で1.33個出る確率となります。このため確率計算が苦手な人でも容易に確率を予想できます。

 このゲームの醍醐味は、自分のダイス目や相手の宣言から場のダイスを推測し相手の「ブラフ」を見抜いたり、逆にはったりで強気に押したりする心理戦の駆け引きです。自分のダイスが減っていけば不利になりますので、いつも「ブラフ」を掛ければいいというものでもなく、ダイスの多い人を狙ってダイスの個数を削っていくのも重要です。自分が場の半分以上のダイスを保持しているときはゲームを支配した気分にもなれます。

 ルールが簡単で一度遊べば覚えられます。2〜6人用で、気軽にみんなで遊べるゲームのひとつです。

Bluff(ブラフ)

スルース(Slueth)

 「スルース」(Sid Sackson / Face2Face / 1967, 2004)は、36種類のうち隠した1枚の宝石カードの種類を当てる推理ゲームです。絶版となっていましたが2004年に「Face2Face」から再販されました。

 宝石3種×4色×1〜3の個数で、合計36種類の宝石カードがあります。質問カードを上手に活用して相手の手札を明らかにしていき、どの宝石カードが隠されているかを推理します。手番になったら質問相手を指定し、質問カードに沿った質問をします。「赤のダイヤは何枚持っているか?」などです。隠された宝石カードが分かったら宣言し、当てれば勝利となります。

 推理力や情報を整理する能力が問われます。うまく質問することによって他人の宝石カードを特定していきますが、手持ちの質問カードでは効率の良い質問ができない場合もあります。他人の質問もうまく活用して少しずつ絞っていく必要があります。自分の欲しい質問カードが引けるかどうかの運の要素もありますが、推理ゲームが好きな人にはお勧めです。

 唯一の問題点としては、ルールがシンプルなために誰かが一度でも間違って答えてしまったらおしまいという点です。他の推理ゲームでは手札交換などにより情報の精度が完全ではなくてもゲームが成り立つようになっていたりしますが、このゲームでは純粋な推理だけなので、誰かがうっかり間違って答えてしまうと推理が成り立たなくなってしまいます。

 わざと嘘を答えるのはルール違反ですが、宝石の種類(パールとオパール)などわざと間違えやすくデザインされているので、絶対に間違いがないとも限りません。滅多にないこととは思いますが、過去に実際に一度起きて残念な思いをしたことがあります。

スルース
スルース(楽天で購入)

Slueth(スルース)

ゴキブリポーカー(Kakerlaken Poker)

 「ゴキブリポーカー」(Jacques Zeimet / Drei Magier Spiele / 2004)は、押し付けられたカードの内容が真実か嘘かを当てるブラフ系カードゲームです。2〜6人でプレイできます。

 スタートプレイヤーは自分の手札から1枚の虫カードを裏にして誰かに押し付けます。そのとき、「このカードは○○である」と宣言します。本当のことを言っても嘘を言っても良く、押し付けられたプレイヤーは真実か嘘かを当てます。当たればその虫カードを出したプレイヤーが引き取り、間違ったときは押し付けられたプレイヤーが引き取ります。答えることを保留したいときはカードの表を見てカードの内容を確認し、別なプレイヤーに押し付けることもできます。これを繰り返し、同一カードが4枚になった人が負けとなります。

 カードゲーム・ボードゲーム初心者でも楽しめる、読みや駆け引きが重要なゲームです。勘が鋭ければゲーム歴もプレイ回数も関係ありません。心理戦に長けた人が勝つのです。プレイに参加した人のクセや特徴を読んだり騙したりすることが非常に面白いです。カードを保留しがちな人にパスして身の安全を図ったり、同一カードが3枚になっている人に決断を迫ったり、相手の目を見て真実か嘘かを判断したり、いろいろとやり方があります。

 カード絵が害虫の類いなので好き嫌いが出るかもしれませんが、ルールはシンプルで読み合い騙し合いの楽しめる良いゲームだと思います。ゲーム会の空き時間にプレイしたり、旅行に持っていったりするのに最適だと思います。


ゴキブリポーカー(楽天で購入)

Kakerlaken Poker(ゴキブリポーカー)

エボ(Evo)

 「エボ」(Philippe Keyaerts / Eurogames・Descartes / 2001)は、恐竜を進化させてより多くの個体を生き残らせ勝利ポイントを稼ぎ、最もポイントの多い人が勝利となるゲームです。

 恐竜に遺伝子を追加して生存競争に勝ち残ることを目指します。たくさん卵を産む種族にしたり、足を速くし攻撃力を上げて他の種族を殺すことで勢力を増したり、気候変動に適応することで多くの個体を生き残らせるようにしたりと、種をいろいろと特徴付けられることがこのゲームの面白さとなっています。各ターンの終わりに、生き残った恐竜の数の分勝利ポイントが増えていきます。

 恐竜を進化させる遺伝子は競りで落とします。競りは、競り落としたいものが被らなければその遺伝子を落札できる、あとから入札した人によって入札が被った場合は別なところに移動するかより高い値を付ける、ということを繰り返すシステムです。競りには勝利ポイントを使用するのであまり高く落札できないですし、なかなか欲しい遺伝子が競りに出てこなかったり、同じ遺伝子ばかり出て相場が安くなったりといろいろな状況があります。ゲームの戦略の軸となる部分でもあります。

 恐竜たちの棲む島は激しい気候変動があり、気候に適応できない恐竜たちは死んでいきます。事前に棲みやすい土地に移動したり、遺伝子を強化して耐候性を付けることによって生き残りを目指します。場合によっては他の種族を蹴散らして棲み良い地形の土地を確保する必要もあります。ターンの終わりには卵を産むことができますので、頑張って種を増やしていきます。時代が進み、最後に隕石が衝突するとゲームは終了となります。

 気候を変動させたり一時的に攻撃力を上げたりといった特殊効果のあるイベントカードはなかなか強力です。うまく使用することで勝率は上がると思います。場面によっては非常に凶悪なカードもありますので、競りでイベントカードばかり落とすというのも戦略のひとつです。イベントカードは日本語化しないと読むのに大変だと思います。

 総評としては、なるべく多い人数(4人か5人)でワイワイと遊ぶのが楽しいゲームだと思います。盤面での衝突が多いといろいろ選択肢が出てきて楽しめます。一方で運の要素がかなり大きいゲームなので、戦略で勝ると勝利するというものでもありません。ですが、意外と重めのゲーム好きの人でも楽しめる、要素の多いゲームでもあります。「恐竜」とか「進化」といったキーワードに反応するタイプの人間は楽しく遊べると思います。

 絵柄に好き嫌いが出そうなところや、勝利ポイントのカウンタが競りのボードの周囲に小さいマスで書かれているなど明らかにプレイしづらい部分があるのはマイナス要素だと思います。また、付属のダイスが木製のため出目が微妙に偏ることもありますので、市販のダイスを使用した方が良いかも知れません。ダイス目が重要なゲームでもあります。

Eurogames・Descartes

2005年10月16日

人狼の系譜

 「人狼(ワーウルフ)」と呼ばれるゲームがあります。とある村に狼男が紛れ込み、毎夜村人を喰い殺します。村人たちは狼男と思われる人間を特定し吊るし上げることで村を守るのが目的で、一方狼男は村人全員を喰い殺し村を滅ぼすのが目的という、サスペンスホラーな雰囲気のパーティゲームです。

 元々はロシアの伝統的ゲームのとのことで、そのためか複数の出版社と複数の各国語版が存在し、どれがオリジナル作品でどれがリメイク作品なのか分かりにくくなっています。リメイク作品にしても権利関係がどうなっているのかもよく分かりません。そこで、分かりうる限り系譜を整理してみることにしました。

 「The werewolves of Millers Hollow(ミラー谷の人狼・ミラーズホロウの人狼)」のマニュアルには、以下のように書かれています。

This game is freely based on a traditional Russian Game, also known as "Mafia" or "Spies", which appeared in the Soviet Union in the 1930's.

(このゲームは、「マフィア」や「スパイ」として知られる伝統的なロシアのゲームに大まかに基づいています。その伝統的なゲームは1930年代にソビエト連邦に現れました。):Midge訳

 また、同ゲームの公式サイトにはバックグラウンドとして以下のような記述があります。

The Werewolf game, also known as Mafia, is a traditional russian party game. Originally, due to stalinian paranoia, the aim of the game was to find out the two foreign spies. Now, it's to unmask the two inflitrated policemen... or the two werewolves.(中略)I found the rules of this game on the internet.

(「マフィア」として知られる人狼ゲームは、伝統的なロシアのパーティゲームです。元々は、(スターリン信奉者のパラノイアによって)、ゲームの目的はふたりの外国のスパイを見つけ出すことでした。現在、その目的はふたりの潜入した警官……もしくはふたりの人狼の正体を暴くこと、となっています。(中略)私はこのゲームのルールをインターネット上で見つけました。):Midge訳

 このことから、元々すでに werewolf がテーマになったゲームが一般的なものとして存在していたようです。「The werewolves of Millers Hollow」は2001年発売で、著者は Philippe des pallières & Hervé Marly となっています。彼らは新キャラクターを追加して自家製バージョンとして発表したとのことです。著者のひとりである Philippe des pallières は他にも作品を発表しています。

 「The werewolves of Millers Hollow」の出版社はフランスの「Asmodée Editions」です。同社によるドイツ語版のタイトルが「Die Werwölfe von Düsterwald(デュスターバルドの狼人間)」で、元々のフランス語版のタイトルが「Les loups-garous de Thiercelieux」で、内容はどれも同一のようです。ちなみにThiercelieux は著者の Philippe の住んでいるフランスの小さな村とのことです。

 この出版社のものは数ある人狼ゲームの中でカードのデザインが最も素晴らしいと思います。特徴的なものとしては、「少女」という「誰が狼男なのか夜中にこっそりと隠れ見る」能力がある役割カードや、「キューピッド」という「指定した2人を恋人にする(恋人となったものたちはたとえ2人が人間と狼男だとしても2人が生き残るのを目的として生きる)」能力がある役割カードなどがあります。

 イタリアの出版社「daVinci Editrice」からは「Lupus in Tabla(タブラの狼)」が発売されています。初版は2002年に発売されました。「フクロウ」と「神話マニア」の役割カードが追加されるなどいくつかの改訂がされ、2004年に第2版が発売されました。現在入手可能なのは第2版だけだと思います。
 「フリーメーソン」という「2人ひと組で存在し、互いに仲間を確認できる」能力を持った役割カードや、「取り憑かれた者」という「狼男側が生き残るのが勝利条件」である役割カードなどが特徴的です。

 また、「Are You a Werewolf?(汝は人狼なりや?)」(2001年発売)の公式サイトには、古典的なトランプカードゲームの「マフィア」を基にしている、というようなことが書かれています。そして、マニュアルには Andrew Plotkin なる人物が werewolf をテーマにすることを思いついたと書かれています(公式サイトにはその記述はないようです)。本作品の著者情報はありません。「Are You a Werewolf?」はアメリカの出版社の「Looney Labs.」から発売されています。予言者以外の特殊な役割カードがなく、最もシンプルなバージョンとなっています。

 「Are You a Werewolf?」のマニュアルに記述のある、 werewolf をテーマとした考案者である Andrew Plotkin 氏は「Zarfhome」というサイトを運営されています。そこには werewolf についての詳細な記述があります。自分は werewolf をテーマとした考案者ではあるけれど、元々が伝統ゲームなので権利を主張しないとおっしゃっています(素晴らしい方だと思います)。ここから各商業版の人狼が生まれていったというのが真相のようです。

Zarfhome : werewolf(werewolf の考案者のサイト)
 Les loups-garous de Thiercelieux
 Les loups-garous de Thiercelieux(Asmodée Editions内)
 Are You a Werewolf?(汝は人狼なりや?)
 Lupus in Tabla(タブラの狼)

2005年10月15日

ゴーストバスター(Gespensterjagd)

 「ゴーストバスター」(Kai Haferkamp / Amigo-Spiele / 2001)は、古城でおばけを追いかけるという「スコットランドヤード」ライクな追いかけっこゲームです。おばけを捕まえれば追跡者側の勝利、見事逃げ切ればおばけ役の勝利です。

 おばけは壁をすり抜けられますが、追跡者は人間なので扉や階段を通じてしか移動できません。しかし、おばけは必ず移動し続けなければならないため同じ部屋に留まるということはなく、基本的には2度同じ部屋を通過できないので移動するごとに経路を辿りやすくなります。移動の経路は移動カードを重ねて置くことで分かるようになっています。また、ボードの周囲には時間の経過を示す動物たちがいて、同種の動物がすべて取り除かれるとそのときだけおばけが姿を現します。

 移動ルールが厳しくおばけ役はかなり大変ですが、スタート位置の選択を考慮して経路を一本道で推測させないようにしたり特殊移動カードを活用したりして、追跡者たちの包囲網をいかに突破するかが勝負となります。序盤で布石を打って中・終盤に包囲網を突破できればおばけ役が勝利できると思います。

 推理ゲームですが、古城でのおばけ追跡というテーマを楽しむゲームでもありますので、ガチガチに推理するよりもワイワイ楽しむ方がいいかもしれません。イラストの雰囲気が出ていてルールの煩雑さもなく、個人的には「スコットランドヤード」より気に入っています。

Gespensterjagd(ゴーストバスター)

2005年10月14日

創作に必要な道具

 カード・ボードゲームを自作するのに必要な道具や資材で私が使用しているものをリストアップしてみます。

  • カッティングマット
     A4サイズの縦辺とA3サイズの横辺が切れればいいのでA4サイズを使用しています。
  • カッター
     イラストボードを切るときは替え刃をたくさん用意して刃をこまめに折りながら切ります。
  • 定規
     15cmと30cmの長さのものを使用しています。カッターのガイドに使用していますがプラスチック製です。本当は金属製の方が良いと思います。
  • スプレーのり
     イラストボードにプリントしたコピー紙を貼るのに使用します。紙を貼るだけなので弱粘着タイプで十分です。
  • イラストボード
     ボードやタイルチップに使用しています。ミューズのA3サイズ1mm厚のタイプを主に使っています。1枚210円程度です。2mm厚と3mm厚タイプも存在します。
  • ラミネートフィルム
     ボードやチップタイルの表面保護のために貼っています。ゲームで使用しても表面の傷が目立ちにくい、表面が絹目調の「フィルムルックスソフトpp」を使用しています。透明度の高い光沢タイプも存在します。



道具一覧


 ボードやタイルチップを作成する手順は以下のようにやっています。手順としては邪道ですが、多少乾燥時間が短縮できる上にこの方法で慣れてしまったため、もっぱらこの手順で行っています。

  1. プリンタで上質紙にボードやタイルチップのデザインをプリント
  2. ラミネートフィルムを適度な長さに切り、裏紙を剥がして糊面を上にしてテーブルに置き、プリントした紙を裏返しに乗せる
  3. イラストボードにスプレーのりを20cmくらいの高さからまんべんなく薄くスプレーする
  4. イラストボードの糊面を上にして、プリントした紙が貼られたラミネートフィルムを乗せ、最後に眼鏡拭きのような柔らかい布で上から強くこすりつけ圧着させる
  5. 完全乾燥させるため24時間置いて、その後カッターで切る


イラストレーションボード
 ラミネートフィルム

2005年10月12日

バベル(Babel)

 「バベル」(Uwe Rosenberg, Hagen Dorgathen / Kosmos / 2000)は、古代メソポタミアが舞台の、相手より早く一定の得点分の神殿を建てた方が勝利となる2人用カードゲームです。

 このゲームの面白いところは5種類の民族カードがあって同じ民族のカードを3枚連続して場に出すと様々な効果を発動するコンボが発生するところです。このルールによって状況がめまぐるしく変わり、大差で負けていても突然逆転することも可能で、優勢劣勢がターンごとに変わったりします。その振り幅が大きいもののそれでいてバランスが不思議と取れており、2人用対戦カードゲームとして非常に面白いものとなっています。

 唯一残念なのはコンボ発動の代わりに相手の手札を半減させるルールがあることです。これにより、優勢なプレイヤーが相手のカードを減らし続けることが可能なため劣勢なプレイヤーがコンボ発動の機会が永遠に奪われてしまうなど、状況によってはしばしば逆転不可能なワンサイドゲームになってしまうことがあります。ですので、このルールを採用しないで遊ぶ方が面白いかもしれません。

Babel(バベル)

修道院殺人事件(Mystery of the Abbey)

 「修道院殺人事件」(Bruno Faidutti, Serge Laget / Days of Wonder / 1996, 2003)は、修道院内部で起こった殺人事件の犯人を当てる推理ゲームです。ミサで皆を招集するためのベルなどボードやコンポーネントが良くできていて、大変雰囲気が出ており本当に犯人探しをしている気分になります。

 実際のゲームではどう質問するかが真犯人特定の鍵となります。質問ルールは独特で、「質問に答えなくても良い」、「質問に答えた場合は逆に質問することができ、相手は拒否はできない」というものです。また、容疑者カードを隣の人と交換するルールがあるので、今までに質問された内容によって情報を絞ったり流したりと手札で情報のコントロールができます。

 また、特殊カードが強力なので推理がさっぱりの人は一発逆転を狙ってカードを利用したプレイをするのも有効です。いずれにしても、得られた情報をどう整理するかがポイントですので、確定情報だけでなく情報の濃淡で推理するなど自分なりの戦略を立てる必要があります。告訴で真犯人を特定できなくても告発で犯人の特徴を言い当てれば細かく得点して勝利できるという部分だけは個人的にはあまり好みではありませんが、推理ゲームが好きな人にはお勧めできるゲームです。

Mystery of the Abbey(修道院殺人事件)

ボードゲームコレクション(PS2)

 2003年に発売されたPS2ソフト「ヨーロピアンゲームコレクション」が廉価版のSIMPLEシリーズで「ボードゲームコレクション」とタイトルを変えて発売されました。違いはミニガイスターが付属しているかどうかです。それで定価7,140円だったものが定価2,100円に値下げです。ガイスター自体2,800円程度で購入できますから廉価版であるボードゲームコレクションの方がお得です。

 ガイスター、カルタヘナ、フロカティサーカス、ミッドナイトパーティー、原始スープといった有名なボードゲームのコンピュータ版ということで期待されましたが、3D表示がプレイアビリティを低下させていたりと移植具合が微妙なところもあります。しかし、元々高額な上に絶版で現在入手難の「原始スープ」が遊べるということで「原始スープ」専用ソフトとして2,100円なら買っても損はないと思います。独特なゲームですから。

【新品】PS2 THEボードゲームコレクション
THE ボードゲームコレクション(楽天で購入)

ボードゲームコレクション
 ヨーロピアンゲームコレクション

2005年10月11日

株式売買ゲーム

 株式売買をテーマにしたボードゲームはいくつもありますが、実際の株取引に似ているもの、何となく雰囲気が出ているもの、要素としてそれっぽいもの、などをいくつか挙げてみます。

 株式売買ゲームと言えば真っ先に思いつくのが、「モトリーフールの安く買って高く売れ」(Reiner Knizia / Uberplay Entertainment / 2005)です。最終的に一番多くお金を持っていたプレイヤーが勝利となるゲームで、3種類ある産業の株式を購入して売却益を得るところはなるほどそれっぽい部分です。株価が変動しづらい産業の株をホールドしつつ、株価が変動しやすい株を売買して売却益を出すことができるところなどはなかなか株式っぽいところです。
 しかし、カードをプレイして相場を上下させるところなどはあまり株式っぽくない、ゲーム的な部分です。また、2番手プレイヤーが初手で手持ちの株式を売却してあとは相場を変動させて他人の足を引っ張るというプレイがかなり効果的で大勝ちも狙えると思われるところが、株なんかやらない方がいいんだよというアイロニーのように思えてなりません。

 また、「ビッグディール」(G.Zuckerman, T.Harpaz, R.Wagner, Y.Rotem / Amigo Spiel / 2001)というゲームでは、カードを集めて株式会社を設立して収益を得るところ、設立した株式会社を買収したり防衛したりするところ、最後のゲームオーバーカードを引きゲームが終了するときにバブルがはじけて(?)手持ちの会社や資源の価値が暴落してしまうところなどは要素として株式っぽいですし、なかなか良くまとまったゲームです。このゲームは4種類ある資源の売買で売却益を出せるのですが、モトリーフールの3種類の産業の株式売買と同じように、ボードゲームでも実際の株取引に似せられる部分だと思います。

 一方、株式の変動や仕手戦の仕組みをシステムとしてうまく再現していて、私が一番株式っぽいと思うゲームは、「マネージャー」(P.Pfeiler, W.Pfeirer, B.Munchhagen / Hexagames / 1991)です。1991年作品なので残念ながら絶版なのですが、非常に良くできたゲームです。株価の変動のシステムでは、最安値を付けた人から2,000金ごとにチェーンして、うまく一番高く値を付けた人の株価が大きく上がるところなど、株価の変動というゲームにするのが難しい部分を独自のシステムで実現しています。うまくやればクロス取引や仕手行為、見せ板的手法などを駆使して相場を作り大きな利益を出すこともできます。最終的には工場を10個建てた人が勝利なのですが、相場をいかに自分の思うように操るかが楽しくて、結果大損しても楽しいと思える面白いゲームです。

The Motley Fool’s Buy Low, Sell High(モトリーフールの安く買って高く売れ)
 AMIGO Spiel + Freizeit GmbH
 Hexagames

木製ブロック

 ドイツのボードゲームには木製のコマが良く使われています。手触りの感じが良く、プラスチック製のコマよりも高級感があるものです。今回、創作ゲームのコンポーネントの作成に便利な1cm角の木製ブロックを東急ハンズで購入しました。75個入りのパックが262円なので1個あたり約3.5円です。木はひのきなので堅くてけばも少なく加工し易いです。検品してみたところ、ひとつのパックに2、3個不良品(多少の欠けや割れ)が混じっているくらいの仕上がり具合のようです。

 無塗装なのでコマとして使うには塗装が必要です。まず始めに面取りのためヤスリ掛けをしました。ヤスリは小型の金ヤスリと240番と400番のサンドペーパーを使用しました。次に水で薄められるため扱いやすいニッペの水性エナメルミニで試し塗りをしてみました。DIYショップで普通に売っている塗料で乾燥時間が短いのが特徴です。定石通り5%〜10%希釈して薄く塗りましたが、筆で一度塗りだと薄いので二度塗りしました。それでも仕上がりが甘いので結局三度塗りしました。乾燥させるために金網の上に置きましたが、一度に全面は塗れないですし接地面の塗装が金網にくっついて剥げてしまうので、6面体を3面ずつ塗る必要がありました。

 しかし、これでは大量生産には手間が掛かり過ぎです。そこでいろいろ試しましたが、辺の部分は諦めて角と木口だけヤスリ掛けして、二度塗りするのが作業スピードと品質のバランスが取れているようです。塗装はスプレーを使用すればもっと速いのですが、屋外での作業が必要なので今回は取り止めました。


1cm角の木製ブロック


左:ヤスリ掛け後 右:塗装後(三度塗り)

東急ハンズ
 ニッペ 水性エナメルミニ(25ml)

プエルトリコ(Puerto Rico)

 「プエルトリコ」(Andreas Seyfarth / alea・Ravensburger / 2002)は、2002年ドイツ年間ゲーム大賞最終ノミネート、同年ドイツゲーム賞金賞+金の羽根賞受賞作品です。いろいろな戦略が楽しめるゲーマーズゲームで、個人的には最も面白いボードゲームと言えると思います。

 戦略・発展系のゲームで、プエルトリコ島でのプランテーション経営がテーマです。作物を旧世界に出荷するか都市に建物を建てることで勝利ポイントを得ることができ、ゲーム終了時に最も多くの勝利ポイントを持っているプレイヤーが勝者となります。得点を稼ぐ方法が「出荷」か「建築」のふたつなので、どちらかに比重を置いて得点を稼ぐ戦略を俗に「出荷型」、「建築型」と呼ばれています。実際にはハイスコアゲームになる場合はどちらも重要で、建築型プレイヤーは速攻でロースコアゲームを狙い、出荷型プレイヤーはハイスコアゲームに持ち込んで大建物のボーナスでは太刀打ちできない得点を稼ぐためひたすら生産・出荷を繰り返したりします。複数のプレイヤーの思惑や番手などが絡み、複雑なゲームとなっています。

 初めてプレイするときには建物の効果が分からず発展させ方が分かりにくいのが難点です。お金も増えずジリ貧となりプレイが作業となって上級者のプレイを見てるだけ、となりがちです。最初は、手番が回ってくるのが早く相手のプレイに関わらずある程度自分のやりたいようにプレイできる3人プレイが軽めでお勧めです。ベストは4人プレイで、プエルトリコの真骨頂と言えます。いかに下家を縛るか、どの役割を選んだら優位に立てるか、読みと流れと運の要素が非常によくバランスが取れています。5人プレイは重めでバランスは今ひとつで最善手を続けてもジリ負けする展開になったりと、あまりお勧めできません。

 また、プレイを妨げる要因の最たるものはドイツ語です。建物も役割カードも読めずマニュアルに首っ引きとなりがちです。そのため、タイルを日本語化するのをお勧めします。2、3回プレイして役割や建物の効果が理解できるようになって初めて戦略について考えられるようになるでしょう。最初の数回のプレイで、うまくできなくて難しいから面白くないと感じるか、うまくできなくて難しいけど面白いと感じるかが分かれ目で、面白いと感じた人はきっとプエルトリコの魅力に虜となると思います。

プエルトリコ

Puerto Rico(プエルトリコ)
 Spiel des Jahres 2002(ドイツ年間ゲーム大賞 2002)
 Deutschen Spiel Preise 2002(ドイツゲーム賞 2002)

角丸はさみ RT36W

 カード・ボードゲームを自作する際に便利な道具に角を丸く切ることのできるカッターがあります。主に写真やテプラの角取り用ですが、はさんで押して角を丸くするもの、はさみで丸く切れるものがあります。はさんで押して切るタイプは厚めの紙に対応していないものしか見つからず、結局「KING JIM」のテプラ用はさみ型トリマー「RT36W」を購入しました。本来はテプラ用ですが名刺程度の厚紙も簡単に切ることができます。半径3mmと半径1.2mmのふたつの刃があり、切ることができます。定価は1,995円ですが実売価格は1,500〜1,800円程度のようです。

 また、はさんで押して丸く切るタイプのものには、「サンスター文具」の「かどまる3」があります。半径5mmタイプで、コピー用紙3枚の厚さまで角を丸くすることができるようです。


KING JIM テプラ用はさみ型トリマー「RT36W」


このように角が丸く切れます

ラベルライター「テプラ」ハサミ形トリマー RT36W


【合計¥2500以上で送料無料!】ラミネートカードや写真の角を丸くカット!かどまる3(コーナー...
かどまる3(楽天で購入)


KING JIM
 RT36W
 サンスター文具

ルイ14世(LOUIS XIV)

 「ルイ14世」(Rüdiger Dorn / alea・Ravensburger / 2005)が、2005年ドイツゲーム賞第1位作品となりました。

 このゲームは使命カードを達成すること(5点)と紋章チップを得ること(1点)によって勝利得点を稼ぎ、最も勝利得点が多い人が勝者となるゲームです。ルイ14世の時代の要人を表す各人物ボードの上に影響マーカーを置いていき影響マーカーを多く置いた人はその人物から報酬をもらえます。報酬には使命チップや紋章チップなどがあり、使命チップの組み合わせでプレイする使命カードを達成することと、得た紋章チップによって得点することができます。

 このゲームの面白いところは、ふたつの得点方法があってどちらかだけではまず勝てないのでバランス良く得点しなければならなく、ひとつの人物ボードでの1位にこだわるとそのボードで勝利してもゲームでは勝てないというようなバランス感覚やジレンマを楽しめるところです。いわゆるゲーマーズゲームではありますが一度テストプレイをすれば初心者でもすんなりと理解できると思います。

 また、ゲームシステムがよく練り込まれていて一般的なゲームの欠点としてありがちな状況が起きにくくなっています。あからさまなトップ叩きがしにくい、初心者でも大差で負けにくいためゲーム終盤まで楽しめる、初心者が居てもゲームが崩壊しない、談合プレイをしたとしても勝利することが難しい、あたりは非常に秀逸なゲームシステムであると思います。

 一方欠点としては、ルイ14世マーカー絡みの同点処理がすっきりと理解しにくい、使命カードや紋章チップの運の要素がやや大きい、などが挙げられますが前者は同点処理の場合分けの表を作ると分かりやすくなりますし、後者は戦略で補える程度の運の要素であって強い人の勝率が高いゲームシステムであるため、どちらも大きな問題ではないと思います。また、カードがドイツ語で記述されているため使命カードの日本語化をした方がプレイしやすくなりますが、イラストで視覚的に理解できるカードになっていますので日本語化は必須ではないでしょう。なお、このゲームは2〜4人用ですがバランスから言って4人プレイが個人的には最も面白いと思います。

Louis XIV(ルイ14世)
 Deutschen Spiel Preise 2005(ドイツゲーム賞 2005)